<闇の子供たち>タイ駐在の新聞記者、南部浩行は、闇ルートで行われている子供の人身売買や臓器密売の実態を暴くべく、取材を始める。フリーカメラマンの与田やNGO職員の音羽恵子らと協力し、真実へと迫っていく南部だったが、そこには想像を絶するタイの裏社会の現実が待ち受けていた。 あまりにも重過ぎるテーマの本作からは、下手なものは作れないというキャスト、スタッフの熱意がスクリーン越しに伝わってくる。江口洋介、妻夫木聡、宮崎あおいなど豪華俳優陣の真摯な演技は素晴らしい。 しかし、彼らがかすむぐらいの存在感を見せているのは、タイの俳優や子供たちである。映画の前半部で描かれるタイの闇社会の描写は、あまりに凄惨であり、また、ドキュメンタリー作品のようにリアルに撮られている。ゴミ袋に入れて捨てられながら、はいずって実家に帰ろうとするエイズの少女や、幼児性愛者が子供を虐待するシーンなど、子供の悲劇をこれだけ硬質