社会はなるべく経済活動を自由にしてマーケット・メカニズムを働かせ、会社や個人を競争させた方がよくなります。 つまり、国民の富が増え、国民の生活が向上していくのです。 いい製品を安くつくれる会社が国民の消費活動により選ばれ、逆に競争に敗れた会社が去っていくことになります。 そして、そのような企業努力が報いられた経営者やその会社の株主は時に巨万の富を得ることもあるでしょう。 だからこそ企業家は死に物狂いでがんばるし、投資家は果敢にリスクを取るのです。 歴史が証明しているように単純なマーケット・メカニズムは多くの場合非常にうまく行きます。 しかし、マーケット・メカニズムが働くことがあまり期待できないものがいくつかあります。 環境問題がそのひとつです。 ある製品は環境対策をしなければ100円で作れるとしましょう。 しかし、大気や河川に有害物質を放出しないように作るには300円かかってしまうとします