サイバー攻撃を受け、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡る機密文書などが流出した疑いのある農林水産省が、「流出の痕跡が確認できない」と説明していることが疑問視されている。 今回の攻撃では、省内のパソコンが遠隔操作され、データ圧縮などの不正操作が行われている。同様の被害があった他の役所や団体は「流出の痕跡」として公表しており、専門家からは「この状況で漏えいを想定しないのは甘すぎる」との声が上がっている。 今回の攻撃では、農水省の公用パソコンが遠隔操作された。「TPP」などのキーワードで検索が行われたとみられ、TPPに関わる機密ファイルが1か所に集められていた。集められたファイルは外部に転送しやすいよう「RAR形式」と呼ばれる方法でデータを圧縮。農水省が被害に気付いた時には、攻撃者によって大半の圧縮ファイルが削除されていたという。 RAR形式で圧縮すると、大量のデータを簡単に転送できるため、