ブックマーク / ryojikaneko.blog78.fc2.com (13)

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 メアリー・ハッチ『組織論のエッセンス』を読んで

    積読になっていたメアリー・ハッチの『組織論のエッセンス』を読んだ。尊敬する宇田(理)さんが監訳者の一人に名を連ねている。ポイントは日野さんの解説に書いてある通り、3つなんだけど、これ、原文読まないとよく分からん。ということで、これまた積読であった原文を読むと、この三つはorganizaionとorganizationsとorganizingである。「実体としての組織」「個別具体的な組織」「組織化」という風に訳されている。この前の二つと最後の一つの違いが大きいというのは、ハッチの言及しているところで、要するに、前二者が「静的」な捉え方で、後者が「動的」な捉え方と言い換えてよいだろう。 ハッチ先生は物理学を比喩で使うと分かりやすいとおっしゃる(けれども、難しい)。 1 Taking the particle view, you can locate an organization as an

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    zu2 2024/09/12
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 総力戦をどう考えるのか

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 福祉国家と総力戦が密接に関係していることは、よく知られているところです。戦時体制とは何かというのは、1990年代くらいに1940年体制論とかそのあたりで注目されたことがあったのですが、一般にはその後、どんどん関心が薄れていった分野ではないかと思います。 欧米の国家社会学では、わりと近代国家の形成そのものと戦争の関係を議論してきていてそれはすごく示唆深いのですが、日の場合、短期間にいろんなことをバッと進めたがゆえに、いろいろな文脈があるなあと考えています。戦争そのものでは戊辰戦争とか士族の反乱も重要なわけですが、その後、日露戦争をきっかけに国民意識の醸成が目指されていきます。有名な戊申証書です。たぶん、山室先生の『日露戦争の世紀』なんかが代

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    zu2 2019/04/06
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 右でも左でもない

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    zu2 2018/06/19
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 運動の拠点としての反福祉状態

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 木村正身先生といっても、多くの人は知らないだろう。昔の社会政策学者で、1975年に「労働条件と福祉条件」という論文を書かれている。昔だったら、忘れ去られるだろうけれども、今はレポジトリが発達したので、この論文も居ながらにして、読むことが出来る。この論文は「福祉」を定義したものとして興味深い。その最後の部分を引用しよう。 実際には.その諸生活主体のニードの充足または福祉は,資主義のもとでは,基的には反福祉状態(diswelfares)ないしマイナスのサービス(disservices)からの回復,ないしそれらに対する損害補償への社会的権利の行使として,むしろネガティグなかたちでのみ,具体的に検証されるものであるということができよう。既述のよ

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    zu2 2018/06/05
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 出来高賃金は社会主義?

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 数日前、フジテレビの平井文夫解説員が「結果に関係なく、働いた時間で給料をもらえるというのは社会主義じゃないですか?日は社会主義国だったのか?」という文章を書いている。これにたいして、弁護士の渡辺輝人さんが「戦時中の日人は、歩合給(成果賃金である)などというものは社会主義の制度であって、月給制により労働者の生活を安定させるべし、と言っていた。社会主義って便利な概念だな。」とつぶやかれた。これに対して、私が出典を聞いたところ、親切にも文献とページ数をご教示いただいた。該当箇所は桐原葆見『戦時労務管理』東洋書館の217-218頁である。 ただ、実際に書かれた文章を読む限り、桐原の認識は渡辺さんの見解とは異なっている。該当箇所を引用しよう。 出

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    zu2 2018/03/29
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 日本的作文と方法論

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 Facebookで回って来た「日米仏の思考表現スタイルを比較する」というインタビュー記事が面白かったのと、ここのところ、Facebookのコメントのやりとりや、リアルでの大学院生にいろいろなことを伝えたりするなかで、この方法の問題を改めて考えるようになったので、そのあたりの話題を今日は書いてみたいと思う。 明治以前(もうちょっと延伸して戦前)の日は漢文の型というものを持っていたけれども、それが失われてしまったと一般的によく言われている。今の生活綴り方的なスタイルの作文って、大正期に作られたものではないかと私は思っている。学校教育のなかで誰に言われたのか覚えてないけど、作文を日の随筆の伝統に連ねるのはおそらく嘘、というか、少なくとも創られ

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    zu2 2017/10/15
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 職業訓練以前:教育における普通教育と実業教育

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 萬年先生からふたたび、リプライをいただきました。ただ、教育と職業訓練を同じ土俵に乗せる前に、もう一段前に、実業教育と普通教育を同一のラインに乗せるということが必要になります。 これはなかなか根深い問題でして、なぜこんなに戦後は普通教育全盛になったのか、という問題があります。その潮流の始まりは、第一次世界大戦だと思うのですが、もっとすぐ終わると思っていたドイツ戦争がこんなに長引いた原因は教育制度が優秀だったからに違いないということで、アメリカなども実はドイツ教育をまねて教育制度を変えます。それから、第一次世界大戦の大きな変化は徴兵制度です。徴兵制度でじつは教育を受けていない人が大量に発見されます。それでアメリカなどはアメリカナイゼーション

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    zu2 2014/05/19
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 定期昇給の普及

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 そうか、そもそも私が勘違いしていたんですね。ごめんなさい。出来たではなく、広まったでした。読み返して、ようやく気づきました。 この前のエントリは、濱口先生も禹さんも戦時期に定期昇給が広まったという話で、私はこれに対して戦時期に賃金制度が変わって、定期昇給が広まったという証拠はない、といっているのです。初任給+定期昇給=年功賃金が想定しているのは、定額賃金制度なんですが、これが戦時期に広まったということはないだろう、ということなんですね。 ただ、請負賃金以外の定額賃金は戦前からあるにはあって、そこでの運用は不明なんです。中小でも意外と定期昇給があったところもあるんではないかと思います。とくに、紡績の中小企業なんかは持っていたと思いますね。あれ

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    zu2 2014/05/09
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 定期昇給をめぐって

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 濱口先生からお叱りのエントリをいただいたのですが、いくつかの点で疑問がありますので、書いておきます。まず、定期昇給が新規一括採用とほぼ同時期の第一次世界大戦の時期に出現した方というのはよく分かりません。誰の説かにわかに思い出せないのですが、私が見た限りでは、明治30年代の紡績会社の資料にも「定期昇給」という言葉はあります。ありますが、これは一般に公開された資料ではないので、措いておきます。紡績職工については明治時代から定期昇給があったのは定説です。これは中小でもあったんじゃないかなと思います。それから、日鉄道の職員の給与を眺めていても、定期昇給はあったと思うんだけどな。あとは中西洋先生の長崎造船の研究を見ても、職工も含めて定期的な昇給があ

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    zu2 2014/05/08
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 報酬管理と賃金

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 昨日、東京労働大学の石田光男先生の講義を受けて来ました。報酬管理なんですが、ほとんど賃金管理で、すごく謎でした。ちなみに、私は佐藤厚さんの講義だけ五城目に行ってて欠席しましたが、初めて途中で帰る人を見ました。7,8人は途中で帰ってしまったのではないでしょうか。二人の男の人たちはついていけない(分からない)という趣旨のことを話していました。私は刺激をもらったので、よかったのですが、あまりにもマニアック過ぎる気が・・・ イギリス調査の話はたしかに単純に面白かったのですが、現状調査というのは切ないなあとも感じました。80年代のイギリス調査と90年代のアメリカ調査と00年代の日調査を比較して国際比較になるのかという単純な疑問もあります。もちろん、

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    zu2 2014/04/27
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 ケア労働、あるいは感情労働:guriko_さんに触発されて

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 guriko_さんが1か月ほど前に『日の賃金を歴史から考える』を取り上げて下さって、私も紹介したいなとは思っていたのですが、問題が非常に難しい、そういうところなので、なかなか手を付けることが出来ませんでした。でも、マシナリさんもそうですが、guriko_さんも、実際に働いている現場で持っている問題意識をこうして深めて下さるのを見ると、当に著者冥利に尽きます。そのために、書いたんですから。もう当に快心です。 「日の賃金を歴史から考える」を読んでみた。 「日の賃金を歴史から考える」を読んでみた。<その2> 実はこの一か月の間で、三回ほど、この問題に触発される会話がありました。一つは、先日の教員労働の組合の議論を聞いていたとき、教育運動

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    zu2 2014/02/16
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 ビジネスがポリティカル・ソーシャルを克服し、すべてが消えた

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 朝日新聞の澤路さんが昔のツイートを拾ってくださって、ふと、今考えていることとリンクしたので、メモ代わりに書いておきます。 なんかここまでブラック企業の問題なんかが世の中を覆ってくると、大河内先生の「総資による総労働の保全」としての社会政策こそが一番、大事なんじゃないかと時々、思えてくる。 https://twitter.com/ryojikaneko/status/372741253437210624 最近、考えているのは、今現在進めている、戦前から産報にかけての労働組合をどう理解するかという問題なんですが、そこで1920年代の産業合理化を契機に、分配問題から生産問題へという主張があったことに気が付いたんです。昨日、この点はつぶやきました

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    zu2 2013/11/16
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 2009年05月18日

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    zu2 2012/08/05
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