以前の記事「将棋の局面数 2:分岐の迷宮」のコメント欄において、Ulyemon様に教えていただいたのですが、「10の220乗」という数は、「将棋の局面数」を表すのではなく、「将棋であり得る棋譜の数」を表しているという説があるようです。確かに局面数ではなくて棋譜数を表しているのだとしたら、合流局面を考慮する必要はありません。しかし、本当に将棋の棋譜数は「10の220乗」なのでしょうか? 今回は、将棋の棋譜数について考えてみたいと思います。 本題に入る前に、Ulyemon様にご紹介いただいたWikipediaの「Game complexity」の項目に記してあることについて簡単に紹介します。 「ゲームの複雑性」を測る指標には「state-space complexity(状態空間複雑性)」「game-tree complexity(ゲーム木複雑性)」等があります。前者は、初期局面から到達可能な
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