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  • COVID-19重症化に関わる生物学的「ファクターX」は?:その2 | 大隅典子の仙台通信

    COVID-19は当初、日のメディアでは「新型肺炎」と呼ばれていた。やがて、重症化の症状の様態についての理解が専門家の間でシェアされ、それが一般にも伝わるようになった。重症化したCOVID-19は、呼吸器系に限った疾患ではなく、全身性の臓器不全を引き起こす。その中心となる病態は「血栓症」である。 次回の週刊ダイヤモンド連載「大人のための最先端理科 生命科学」でも触れるが、肺へのウイルス(SARS-CoV-2)感染により細胞に炎症が起きると、「サイトカイン」という物質が細胞から分泌され、感染の量が多くなると、「サイトカインストーム」という暴走状態となって、全身で血液の凝固異常が起き、血栓が形成される。あるいは、肺炎自体は重症でなくても、血管が弱い既往歴があれば、肺炎自体はそんなに重症ではなくても、ウイルスが血管の細胞に侵入して血管壁を傷つけることにより血栓が形成され、心筋梗塞や脳梗塞に至る

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    zu2 2020/06/20
  • COVID-19重症化に関わる生物学的「ファクターX」は?:その1 | 大隅典子の仙台通信

    一つ前の投稿で、東北大学におけるCOVID-19対応についての学内向けオンラインイベントが続けて2つ開催されたことを述べたが、実にタイムリーであった。緊急事態宣言解除後もここ数日、感染者のクラスターが生じた地域もあるが、振り返ってみれば、日で発症日のピーク、もしくは「再生産係数」が1を下回ったのは4月1日頃であり、いわゆる「第一波」は乗り越えたと考えられる。 他国からみれば極めて「緩い」自粛にも関わらず、医療崩壊に至らなかったのは、国の新型コロナウイルス感染症対策専門家の一人である押谷仁教授の話によれば、以下に尽きるという。

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    zu2 2020/06/20
  • 【自宅療養について加筆しました】新型コロナウイルスの変異と広がり | 大隅典子の仙台通信

    全国の都市部を中心に新型コロナウイルス感染症の蔓延は著しく、現在の日の感染者数、死亡者数は、3週間前のニューヨークと同じだ。同じ轍を踏まないことが何より大切。日では「3密」を避ける、というような曖昧な言い方が出回っているが、簡単に言えば、「Stay home, stay safe」ということである。(注:日では軽症の感染者を自宅で療養させることについて不安や抵抗感があるようだが、医療機関の崩壊を防ぐためには必須と思われるー末尾参照) 「新型コロナウイルス」の正式名はSARS-CoV2という(名前は大事)。「SARS」の部分はSevere Acute Respiratory Syndromeの頭文字で、「重篤な急性の呼吸器の症候群」を意味している。SARSという疾患は2002年に中国に広がった感染症であり、日で「新型コロナウイルス感染症」と呼ばれるCOVID-19(こちらは病気の名前

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    zu2 2020/04/12
  • 【さらに追記しました】新型コロナウイルスとBCG | 大隅典子の仙台通信

    想定内のことであったが、ついに東京オリンピックの開催は延期され、直後に小池都知事は都民に対して外出自粛の要請を発した。1ヶ月前と国内外の状況は大きく異なっている。もはや感染者数の世界トップは米国で、イタリアも中国を抜いた。欧州の主だった国の感染者数も日に日に増加している。日は東京で60人超え、千葉でも障害者福祉施設で、28日職員と入所者合わせて57人の感染者が報告されるなど、日にも、いわば第二波(実は第三波?ー追って別記事を書きます)のような感染者数増加が著しい。 このような国別の感染者数、死亡者数を見て、国による差が著しいことについて、多くの人々がその理由を考えている。理由がわかれば、予防に繋がると期待されるからだ。 もちろん、誰でもすぐ考えつく文化的な差異としては、COVID-19蔓延以前からのマスク着用の習慣や社交的な挨拶の仕方などがあり、さらに医療インフラの多寡なとが挙げられる

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    zu2 2020/03/29
    パニックになると希望らしきものにすがりたくなるよね
  • 科学者は競争的すぎる環境に付いていけない | 大隅典子の仙台通信

    では平成7年に「科学技術法」が制定され、国の施策の基に科学技術を据えることにしました。5カ年ごとに「科学技術計画」が定められ、現在は平成23年に閣議決定された「第4期科学技術計画」の元に施策が立てられています。平成28年からは第5期の開始となるので、そろそろ次の計画をどうするか、という話も出始めているようです。 1990年代からいわゆる「大学院重点化」が開始され、科学技術を支えるには博士号を持った人材が必要であるという観点から、大学院生の定員が増やされてきました。そのような大学院生の次のキャリアパスとして博士研究員(ポスドク)がありますが、平成8年からの第1期の計画において「ポストドクター1万人支援計画」が策定され、ポスドクの数も増えることになりました。このようなポスドクの多くは、プロジェクトごとに雇用される有期雇用者です。したがって、5年などの任期が終了すると、次の就職

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    zu2 2014/04/27
  • STAP細胞騒動から考える「科学論文とは?」 | 大隅典子の仙台通信

    いろいろと説明している間に、「そもそも小中学生には<論文>がどんなものかわからないので、そこからお願いします」ということになって、それなら拙ブログにもきちんと書いておこうと考えた次第。

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    zu2 2014/04/19
  • STAP細胞を前提にしないと説明できない? | 大隅典子の仙台通信

    日はNature論文の責任著者でもあり、理化学研究所発生再生科学総合研究センター(CDB)副センター長の笹井氏の記者会見が都内で行われました。

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    zu2 2014/04/19
  • STAP細胞関連ブログコメントなどより転載 | 大隅典子の仙台通信

    昨日の記事は(ハフポストに転載されたためか)とてもたくさんの方々に読んで頂いたため、「専門家の意見を求む」というお願いに反応されたコメントやメールを頂きましたので、その一部、専門性が高いと思われたものを転記致します。とくに、顕微鏡の自動撮影の際のフォーカス自動合わせの機能に言及した考察などは、現場の実験に詳しい方ならではのものがあります。 なお、頂いたコメントで一部誤解があったようなので念の為に書き添えますが、昨日の記事の中で「ライブ・セル・イメージングが改竄されている」という指摘をしたのではありません。動画が当にSTAP細胞(仮)様のものを示しているのか、勘違い?の可能性は無いか、ということを論じています。 関 由行(許可を得てメールより転載) 関西学院大学理工学部 生命科学科 生殖後成遺伝学分野 1. STAP細胞形成過程における多能性遺伝子の発現変化について。 Nature Art

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    zu2 2014/04/19
  • 小保方氏会見から得られたもの | 大隅典子の仙台通信

    一日は誰にも平等に24時間しかないので、何かに時間を費やそうと思ったら、他に削れる時間から取ってくるしかない。

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    zu2 2014/04/12
  • STAP細胞騒動から考える研究広報と科学報道 | 大隅典子の仙台通信

    でノーベル賞受賞でもない生命科学研究者の名前が2ヶ月にわたって一般週刊誌にも載っているのは二度目だったか三度目だったか……。 おそらくこの事例は我が国の科学コミュニケーションの歴史に残ることは間違いなく、10年以上「科学コミュニケーションは科学と社会の健全な関係を構築するのに重要」と言い続けた身として、STAP細胞騒動初期の拙エントリーに対する自戒も込めて記しておきたいと思います。 【追記】「科学コミュニケーション」をどのように定義するのかについては、人によって解釈が種々あると思いますが、私自身は「科学や科学者と市民を繋ぐこと、異なる分野の科学者同士を繋ぐこと、そこに存在するかもしれない齟齬や対立を認識し、必要に応じてその齟齬や対立を可能な限り少なくすること」のように広く捉えています。そのために、研究機関の行う広報活動やメディアの科学報道も科学コミュニケーションの一貫と考えます。サイエ

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    zu2 2014/03/23
  • 「日本版NIH構想」じゃぁだめでしょう | 大隅典子の仙台通信

    今年はどうも、自分のまわりにいろいろな案件が、楽しいことも、そうでないことも、たくさん降ってくるというめぐり合わせらしい。やれやれ。 今日のエントリーは久しぶりに「科学技術政策」という硬派なカテゴリーですが、ここに書かれた意見は生命科学・医学系の基礎研究を行う一個人のものであることを予めお断りしておきます。 あまり表に出てきていませんが、官邸主導で「日版NIH」なる構想が検討されており、かなり近いうちに閣議決定まで持っていかれるという話が出ています。 まず「NIH」って何?というところから始めると、米国のNational Institutes of Health(国立衛生研究所)という組織で、研究所やセンターの集合体であり、それ自身が多数の研究者を抱えて研究を行うと同時に、他の研究者へもライフサイエンス系の研究費を配分するファンディング・エイジェンシーでもあります。 Wikipedia

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    zu2 2013/06/02
  • 森口騒動と大学広報 | 大隅典子の仙台通信

    まぁ、絶妙のタイミングであったために、人の意図以上に注目を集めることになった森口氏の捏造騒動だが、この件は医学系研究科の広報室長を務める身としても、なかなかに考えさせられることが多かった。 いくつかの国内外の科学不正が問題となった後、2006年に日学術会議から「科学者の行動規範(PDF)」が表出されたが、年になって発覚したケースが、京都大学の研究費不正使用、東京大学や東邦大学の論文捏造と相次いでいるのはなぜなのか? ここでは研究費不正使用の話はとりあえず脇に置いて、森口氏の論文捏造の方を考えてみる。 今回の森口氏のケースの最初の告発は、近い研究分野の研究機関に所属する方が「iPS細胞を使った世界初の心臓移植手術」という10月11日の報道に疑義を挟み(下記リンク参照)、同日のうちにハーバード大学からの否定、国際会議での発表取り下げとなったのだが、さらに、ただちにこれまで発表された論文に

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    zu2 2012/10/15
  • 日本のアカデミア人材育成が危ない・その1【コメント表示】 | 大隅典子の仙台通信

    「今年は空梅雨」なんて嘯いてごめんなさい……。 昨日などは、しっかり梅雨でした。 ところで、先日、元三重大学学長の「つぼやき」ブログのアクセス数がものすごいことになった、というお話でしたが、関連したデータを示しておきます。 この10年間で若手教員のポストがいかに減ったか、これをなんとかしないと日教育も研究も科学技術振興も駄目になりますよ、ということです。 資料の元はこちら。 いろいろな問題というのは、一つの原因だけで生じるものではありません。 アカデミアポストの減少減少に至った要因には以下のようなものが考えられます。 ・少子化による学生数減少に対応するため+日の研究力を増すために「大学院重点化」政策が撃ちだされた。 ・大学院重点化により、大学院生の定員を増やすために大学院生の指導ができるとみなされる「教授」ポストを増やす必要が生じた。 ・教授を増やすために、教員の定員枠の助手(当時)

    日本のアカデミア人材育成が危ない・その1【コメント表示】 | 大隅典子の仙台通信
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    zu2 2012/07/08
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