ブックマーク / planck.exblog.jp (14)

  • スワンプランド問題 : 大栗博司のブログ

    東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構機構長 + カリフォルニア工科大学理論物理学研究所所長 × フレッド・カブリ冠教授 by PlanckScale

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    zu2 2018/08/10
  • 量子重力の沼地問題 | 大栗博司のブログ

    先週は、カブリIPMUのシンポジウムの他にも、楽しいイベントに参加する機会がありました。 金曜日には、南青山のギャラリーで、写真芸術家の片桐飛鳥さんの個展のオープニング企画として、私の簡単な講演の後に片桐さんとの対談がありました。 片桐さんは、天文少年だったそうで、天体の写真撮影から芸術の方に向かわれたのだそうです。講演・対談の前には、片桐さんから作品の解説をしていただいて、貴重な機会でした。 参加されたのはもっぱら芸術関係の方々でしたが、片桐さんからのご報告によると、 「トークは予想していたより分かり易くて勉強になりました」 「普段使ってない脳の部分が刺激されて素敵な時間でした」 「対談は難しかったけれど、とても素晴らしかった」 という反響があったそうで、楽しんでいただけたようでよかったです。 土曜日には、サントリー財団の「社会と科学研究会」でお話をしました。こちらは、もっぱら科学史・科

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    zu2 2016/10/06
  • 二重盲検法 | 大栗博司のブログ

    先日アナウンスしたジョセフ・シェパードさんの講演会は、CaltechのBaxter Hallで行われることになりました。題名は「福島第1原子力発電所の危機 ― 今回の事故についての個人的見地と発電所の安全についての工学」で、来週の水曜日の午後4時に開催します。 シェパードさんは爆発現象の専門家でもあって、1996年に起きたトランスワールド航空800便墜落事故の原因についての講演会では1200名収容できるBeckman Auditoriumが満員になったそうです。 話は変わりますが、LIGOはCaltechとMITが共同で行っている重力波観測実験について。昨年の秋のある日に、LIGOグループの一人を見かけたところ、忙しそうにしていたので、冗談のつもりで「連星からの重力波を検出したという噂を聞いたのだけれど」とかまをかけたところ、躍起になって否定されてしまいました。 その人が先日、あの時は失礼

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    zu2 2016/02/12
  • 超弦理論冬の学校、String-Math 2015 | 大栗博司のブログ

    第10回超弦理論アジア冬の学校の組織委員として、沖縄科学技術大学院大学(OIST)に来ています。これは2006年から始まった大学院生むけの学校で、日中国、インド、韓国が毎年交代で開催しています。前回の2012年に草津で開催した時にはKavli IPMUとKEKの共催でしたが、今回はKavli IPMUとOISTの共催です。 当初は80名程度の学生の参加を想定していましたが、200名以上の応募があったので、参加枠を拡大し、最終的には学生91名、講師9名という大きな会議になりました(上の写真は、会場前での集合写真)。日からの学生は41名、韓国から21名、中国から14名、インドから9名、その他の国から6名で、最先端の講義を聞くととともに、アジアの若手研究者のネットワークの機会にもなればと思っています。 2011年の草津での学校と比べて、中国からの学生の数と質が格段に向上しているのが印象的で

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    zu2 2016/01/26
  • 「量子エンタングルメント」シンポジウム その2 | 大栗博司のブログ

    私のが、拙著 『数学の言葉で世界を見たら』 を紹介するブログ記事を書きました。よろしければ、ご覧ください。 ⇒ ローズ家の台所 プエルト・リコでの「量子エンタングルメント」のシンポジウムも、後半になってきました。朝から夕まで、物理の議論をしています。 素粒子論と物性理論の境界領域のシンポジウムですが、2年前に同じテーマで開いたときより、どちらの分野でも大きな進歩があったので、今回はより深いレベルで交流ができるようになったと思います。 左の写真は、シカゴ大学のダム・ソンさんの講演の様子。ほとんどの講演では、屋外の黒板を使っています。議論が盛り上がって、日が落ちても終わらないので、夕の時間が、毎日段々と遅くなってきています。 今日は、午後の休み時間を減らして、エンタングルメントに関する将来の課題を議論するセッションを設けました。特に印象的だったのは、 「ホログラフィー原理とは、量子エン

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    zu2 2015/06/07
  • 原始の重力波 その2 | 大栗博司のブログ

    今日は、昨日のブログ記事に書いたBICEP実験の記者会見がありました。せっかくの機会なので、天文主任の先生にお願いして、大講義室でライブ・ビデオを観る会を開きました。 ところが、インターネットのアクセスが多すぎたようで、会場のウェブページに行けません。ツィッターやフェイスブックで見ると、他の場所から見ようとしている人たちも困っているようでした。幸い、CaltechにはBICEPチームの人たちがいるので、公開されたデータをもとに急遽説明をしてもらいました。 そうこうしているうちに、ハーバードの会場でスマートフォンでビデオを撮っている人が、非公式にUstreamでビデオを放映していることがわかって、そちらを見ました。 そのときの様子は、ハシュタグをつけてライブツィートをしました。 ⇒ #BICEP発表 左の写真は、BICEPチームがCaltechのミリカン池にかかる橋の上で撮った集合写真です。

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    zu2 2014/03/19
  • 原始の重力波 | 大栗博司のブログ

    米国の東海岸時間の月曜日の正午(日時間の火曜日の深夜1時)にハーバード・スミソニアン天体物理学センターで、BICEP2望遠鏡の観測結果についての記者会見があるとの発表がありました。 発表の内容は明らかではありませんが、英国の『ガーディアン』紙によると、初期宇宙の時空間の量子的な揺らぎを起源とする原始の重力波の存在を、世界で初めて確認したのではないかということです。 BICEPとは Background Imaging of Cosmic Extragalactic Polarization の略で、南極点の近くのアムンゼン‐スコット基地に設置された望遠鏡を使い、138億年前の宇宙の始まりに発せられた、宇宙背景マイクロ波輻射(CMB)の偏光の観測を行うものです。上の写真の右側の望遠鏡が、第2世代のBICEP2です。 BICEPプロジェクトは、Caltechのアンドリュー・ラング教授とジェイ

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    zu2 2014/03/19
    “初期宇宙の時空間の量子的な揺らぎを起源とする原始の重力波の存在を、世界で初めて確認”
  • フェルミ推定 | 大栗博司のブログ

    木曜日の深夜の飛行機でロサンゼルスを発って、土曜日の早朝に成田に着きました。午前中は、論文を読んだり、原稿を書いたりしていました。 午後には、千葉県の市川学園で中学生、高校生向けに話しをしました。私立の中高一貫校で、文部科学省よりSuper Science High Schoolの指定を受けて、科学教育にも力を入れているそうです。 土曜日で、自主参加でしたが、400人以上の生徒さんの参加がありました。講演の後の質問のレベルも高く、講堂を出てからも、ロビーや控え室に質問に来てくれる生徒さんが何人もいらして、熱心さが嬉しかったです。 左の写真は、講演の後での先生方との記念写真。 帰宅後、担当の先生から、「こんなに質問が出た講演は久しぶりであります。明解な説明は生徒の心に届いたと思います」とのご連絡をいただきました。 右の写真は、そのときにいただいた瓦せんべいです。人形町でお店をしている卒業生が

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    zu2 2014/01/13
  • 禁止されていないことは、すべて義務である | 大栗博司のブログ

    ウェブ・マガジン 「幻冬舎plus」の連載 『数学の言葉で世界を見たら』 の記事 「計算されたリスクを取ること」 の後編を配信しました。 この連載では、担当してくださっている小木田順子新書編集長に、 「数学の話なので、数式を使うことは当然だと考えています」 と言っていただいたので、数式も使っています。 ウェブ・マガジンでは、私が原稿をLaTeX構文で書き、JavaScriptのライブラリであるMathJaxを使用することで、数式を表示しています。幻冬舎の技術担当の方にとっては、初めての挑戦だったそうですが、 「暗号のように見えるLaTeXが、ぱっ、と数式に切り替わったときは感動しました」 とおっしゃっていました。 今回は、「経験に学ぶ」 ということを、確率の言葉で考えます 確率の勉強では、「サイコロを振ったときに1の目が出たからといって、次回サイコロを振ったときにどの目が出るかの確率は変わ

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    zu2 2013/12/09
  • 科学者の矜持 | 大栗博司のブログ

    今日は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のドン・マロルフさんのセミナーがありました。以前ご紹介した「ブラックホールの防火壁」の話でしたが、この話題の発端を作った人なので、議論が盛り上がりました。 さて、拙著 『強い力と弱い力 ― ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く』 は1月30日に出版されましたが、三鷹ネットワーク大学アストロノミーパブの掲示板に、「たけのや」さんが、早速書評を書いてくださいました。 ⇒ たけのやさんの書評 「構成がよく練られている」、「丁寧で、真摯な書きぶりに何度も助けられて読み終える事が出来ました」とのコメントがうれしいです。ありがとうございます。 昨年の2月に理化学研究所(理研)の研究員会議の年次総会で行った講演のビデオがYouTubeで公開になりました。公開から5日で、すでに1000人以上の方々にご覧いただきました。 講演をお引き受けしたときに、研究員会議代表幹

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    zu2 2013/02/03
  • ディベートの審判 | 大栗博司のブログ

    私の子供は中学校のディベート部に所属していて、今日は北ハリウッドの学校でディベート大会がありました。 審判員が不足しているというので、私も審判員になりました。数日前に学校で講習を受けて、今日の最初のセッションでは時間を計る係りをしながら見学。午後の2つのセッションで、正式な審判をしました。 米国の学校では、野球やフットボールのようなスポーツとして、ディベートが普通に行われています。ルールもきちんと決まっていて、まず大会の2ヶ月ぐらい前に議題が発表になります。今回の議題は、 「連邦政府は太陽光発電を財政的に奨励をすべきか」 「連邦最高裁判所判事には任期を付けるべきか」 「カリフォルニア州は、ニューヨーク市にならって、砂糖飲料の販売を規制すべきか」 「国際養子縁組の害は利を上回るか」 の4つ。2ヶ月の間に、これらの議題のすべてについて討論の準備をします。 たとえば最初の議題なら、「財政的に奨励

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    zu2 2013/01/27
  • ブラックホールの防火壁 | 大栗博司のブログ

    米国では、クリスマスの時期になるとジンジャーブレッドでおもちゃの家を組み立てて飾ったりしますが、先日Caltechの教員会館に昼に行ったら、ジンジャーブレッドで火星探査機「キュリオシティ」が作ってありました。 いかにも理科系の大学らしいと思いました。 さて、アインシュタインの一般相対論によると、ブラックホールのまわりに事象の地平線ができます。遠方の観測者からは地平線の中の出来事を観測することはできません。しかし、ブラックホールに近づいて、地平線の中に入ろうとすると、少なくとも古典力学の範囲では、地平線を越えるところで特殊な現象は起きないと考えられています。 ところが、数ヶ月前に、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のアルムヘイリさん、マルロフさん、ポルチンスキーさん、サリーさんは、量子力学的な効果を考えると、観測者が地平線を無事に越えられるとすると矛盾が起きると主張しました。 これは、量子

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    zu2 2012/12/25
  • ヒッグス粒子 | 大栗博司のブログ

    CERNのLHC実験の2つのグループによるヒッグス粒子探索の経過発表がありました。公開セミナーは、カリフォルニア時間では午前5時だったので、ライブで見ることはできませんでした。幸い、午後1時にCaltechでもセミナーがあり、以前CMSグループの米国の代表者もしていたハーベイ・ニューマンさんが講演者でした。最初は私たちのフロアーの会議室で行う予定でしたが、とても聴衆が入りきらなかったので、下の階の大講義室に場所を移しました。 発表の内容自身は、数週間前からうわさになっていたので驚くことはありませんでした。予想通り、両グループとも124-126GeVぐらいのところにヒッグス粒子らしい兆候を見つけたという発表でした。ただし、統計精度は、CMSグループで標準偏差の2.6倍。さらに、"look elsewhere"効果を考えに入れた評価では、標準偏差の1.9倍だそうです。ヒッグス粒子の質量がわかっ

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    zu2 2011/12/16
  • 光よりも速く | 大栗博司のブログ

    素粒子論研究室の改装工事も終盤になりました。木曜日には工事の騒音を避けて、物理学・数学・天文学部門の事務室のならびにある副部門長の居室で、こっそり研究をしていました。 部門長が現れて、「ニュートリノが光より速いって聞いたかい。」と言います。 持っているのはニューヨーク・タイムズ紙の記事。速報論文や研究所のプレスリリースでないところが普通ではありません。 「CERNからグランサッソに打ったニュートリノが60ナノ秒早く着いたって言うんだ。」 「誤差はどのくらいですか。」 「10ナノ秒と書いてある。」 「距離にして3メートルか。GPSを使えば可能ですね。」 後で聞いた話では、他にも誤差の因子があるので、距離については20センチメートル程度の精度が必要だそうです。 「超新星1987Aまでの距離ってどのくらいでしょうか。」 1987年に観測された超新星Aからのニュートリノは、可視光が地球に届く約3時

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    zu2 2011/09/25
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