教科書検定で、沖縄戦の集団自決が 「日本軍に強いられたもの」 とはいえないとして、修正される動きが目立っている。 軍による強制の有無については、いろいろな見解があり、すべてのケースを一括りに論じることも不可能だろうが、私は少なくとも 「公式の命令」 はなかったろうと思っている。 しかし、公式の命令がなかったということが、即ち住民が勝手に集団自決したということではない。要するに、「強制するまでもないこと」 だったんだろうということだ。公式に命令したことではないが、「お前ら、わかってんだろうな」 的な視線がいろいろな方向から浴びせられていたということだ。 「お前ら、わかてんだろうな」 という視線は、軍部からのみ一方的に浴びせられていたわけではないだろう。住民相互のレベルでも、おそらくあったはずなのだ。だからこそ、そんなにも見事に集団自決が遂行された。 あの戦争は、一種のマス・ヒステリーだったん