■ 昨日は、従妹の「華燭の典」である。 当世、流行の「アラフォー婚」である。 叔父や叔母は、さぞかし安心したであろう。 「人生の味わいは深くして濃く、人生の響きは豊かにして華やかに」。 帰宅して、リヒャルト・ワーグナーの「タンホイザー序曲」をヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で聴きながら、そうしたことを考える。 雪斎の自室には、大正時代の「モダン・ボーイ」だった祖父の写真が飾ってある。 雪斎宅は、宮城や広島から駆けつけた親族の「集結地」に相成る。総て、この祖父から発した係累である。 祖父の世代は、白洲次郎が典型であるけれども、一九〇〇年代に生まれ、一九一〇年代の「自由」の中で成長した。そして、戦時中は年齢が高すぎたので応召せず、「経済大国・日本」の復活を見届けて、一九八〇年代以降に鬼籍に入っていった。 日本史でも、最も恵まれた世代であろう。 そうした世代の「自