(前節) 瀬戸内の歴史的な港町、鞆の浦の港を埋め立てて橋を架ける計画は、景観保護を理由に埋め立て免許の交付を差し止める判決が出て国民的な反響を呼びました。それから2年余り、賛成派と反対派の住民の話し合いで解決策を見出そうという住民協議会も終わり、その報告書がきょう仲介者の弁護士から広島県に提出されました。30年にわたって揺れ動き、住民の利便性と景観保護のあり方が問われてきた鞆の埋め立て架橋の問題も、今後のまちづくりに向けて対立を乗り越えた解決策が迫られています。 鞆の浦は、瀬戸内海の中央部、広島県福山市にあり、古代から風待ち潮待ちの港としての歴史があり、江戸時代の北前船の時代に最も栄えた港町です。灯台にあたる常夜灯や潮の満ち干に応じて船をつけるための階段状の雁木など歴史的な港湾施設が今も揃って残っている日本でも唯一の港町です。 最近では宮崎駿監督が崖の上のポニョの構想を練った港町としても