印刷 原子1個でできたトランジスタを、走査型トンネル顕微鏡で観察したところ。中央にあるリン原子を挟む形で電極がある=マーティン・ヒュークス博士提供 原子1個だけでできているという世界最小のトランジスタの製作にオーストラリアと米国などのチームが成功し、19日付の専門誌ネイチャー・ナノテクノロジー電子版で発表した。 チームは、原子一つひとつを移動したりできる走査型トンネル顕微鏡と呼ばれる装置などを使用。シリコンで作った台の上にリン原子1個を置き、それを挟む形で電極も作り、原子1個がトランジスタとしての特性を持つことを確認した。 今回の技術は、半導体素子の究極の微細化の例。まだ基礎的なものだが、将来は、光エレクトロニクス機器や高速な量子コンピューターなどへの応用が期待されるという。(田中誠士) 関連記事〈日刊工業〉産総研、14ナノ世代素子特性のバラつき要因解明(12/9)