『ムーミン』の翻訳者で知られる小野寺百合子は、戦時中に陸軍武官だった夫とともにスウェーデンに駐在し、機密情報の暗号化を手助けしていた。 夫は元ポーランド軍人のスパイと懇意になり、独ソ戦やヤルタ会談を早期に察知して、勝ち目のない戦争を止めるため本国へ情報を送りつづけた。 しかし夫の見解は、現実的でない弱気な意見と解釈され、無視されていく…… NHK総合で放映された1時間半の終戦スペシャルドラマ。ベートーベンの第九交響曲にのせて、故郷と戦線から遠く離れて無力感をかかえた夫婦の半生を映しだす。 http://www4.nhk.or.jp/yurikosan/ 『ムーミン』の翻訳者が諜報活動に関係していたという豆知識は知っていたが、その詳細は知らなかった。だからこのドラマがどこまで史実なのかも判断できない。 とりあえずドラマとして興味深かったのは、遠くはなれた地域で俯瞰的に国際状況を見ていることを