長く公安警察を取材してきたジャーナリストの青木理さんは、あえて「捜査する側」の視点に立って、法案の問題点を指摘する。 《政治や社会の矛盾に声を上げる人が疑われる社会は健全か。》 公安警察を長く取材してきた。警察官の立場から「共謀罪」を見てみよう。 「共謀罪ができればテロを防止できる」と政府が言う。真面目な警察官であれば何を考えるか。犯罪が起きる前だから、供述が立証の柱になる。それだけに頼っては冤罪(えんざい)だらけになる。もっと物証が欲しい。 「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と考えるだろう。テロリストが重要な話し合いをメールや電話だけで済ませるとは思えない。アジトなどの室内を盗聴する「密室盗聴」もさせてほしいとなる。真面目に捜査しようと思えば思うほど、「もっと武器をください」となる。 日常的に、捜査当局が「こいつは罪を犯す可能性がある」と見なす個人や団体を監視しなければならなく
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