イ・キル・ボラ | 映画監督・作家 ベトナム戦争当時の韓国軍の民間人虐殺に対する異なる記憶を描いたドキュメンタリー映画『記憶の戦争』が日本で公開された。版権が売れたという知らせを聞いた時は嬉しかったが、同時に心配にもなった。日本の右翼団体が、「韓国もベトナム戦争で民間人を虐殺し、性的暴行を犯したから、日本政府に責任を問えない」という自らの主張を裏付ける根拠として、この映画を例に挙げるのではないかと懸念した。 3月20日には福岡市にある九州大学韓国研究センター主催で、映画の上映及び対談イベントが開かれた。上記の虐殺事件を20年間取材してきたハンギョレのコ・ギョンテ記者が書いた本『ベトナム戦争と韓国、そして1968』を翻訳した平井一臣教授(鹿児島大学法政策学科)と対談を行った。同書を翻訳するようになった経緯について聞くと、彼は韓国の書店で偶然同書を見つけたと答えた。ベトナム戦争に同盟国として参