ユニクロを展開するファーストリテイリングの11年8月期連結決算は、海外ユニクロ事業が大幅な増収増益を達成したものの、主力の国内で売れ筋が偏ったために在庫の山を抱え、全体では4期ぶりの減益に甘んじた。12年8月期以降は軸足を海外に移すとともに、国内でもイメージの一新を図って成長路線への回帰を狙うが、積極路線を支える人材育成などが課題となりそうだ。 「商品政策が違っていた。売り場に行ったら欠品だらけだった」。12日の決算発表会見で、柳井正会長兼社長は自戒を込めて語った。国内のユニクロでは昨冬、フリースなどのデザインを増やしたが、売れ筋が欠品となる一方で人気のない商品が大量に売れ残り、収益を圧迫。下期(今年3~8月)だけみれば、クールビズ関連商品などが好調で増収増益だったが、上期の落ち込みを補えなかった。 業績を再び成長軌道に乗せるため、同社は需要拡大が見込まれるアジアを中心とした海外への積極展