博士論文を書きました。 リンク先 慶應義塾大学博士論文 理工学メディアセンターニュース No.105 流体力学における変分原理の改良 実現される運動は作用積分を最小にする.これは変分原理と呼ばれ,物理学全般における指導原理の一つとして考えられている.この原理を用いれば,複雑な拘束条件があっても系の動力学の定式化を行うことができる.様々な完全流体の変分原理が古くから提案されている.また,オンサーガーの変分原理が散逸系であるソフトマターの動力学の定式化に便利であることが知られている.しかしながら,これらの変分原理はいくつかの未解決問題がある.本論文では,これらの問題を解決する普遍的枠組みを与え,付随するハミルトン形式を整備する.本論文の主要な結果は以下の3つである. 1.完全流体の変分原理 流体の速度場を記述する方法にはラグランジュ描像とオイラー描像の2つがある.ラグランジュ描像では,流体粒子