白河桃子『格付けしあう女たち』は、女性たちがそれぞれに分断された社会の中でさらにカースト化し、分断し合う様をルポしている。そして、「なぜ女同士はつながれないか」という問いを立てている。 一見すると白河のルポは、分断を憂え、なんとかつながろうと努力しているように見える。 「鍵は多様性と未来思考」などの文言が踊る。 だが、ぼくは違和感を覚える。 白河は「多様性」を訴えながら、根底には専業主婦という生き方への批判が見え隠れするからである。 これからは専業主婦という選択はどんどん滅んでいくはずです。その選択を否定するわけではなく、もう無理なのですね。結婚を夫の単一インカムで維持していくのは。(白河p.70) すでに現在ですら、専業主婦は「裕福」と「貧乏」に二極化しています。そして今一番裕福なのは専業主婦世帯ではなく「共働き世帯」です。……専業主婦を否定するつもりはないのですが、今後、豊かで満足な子