就職氷河期世代が求めた「三方良し」の働き方 三菱地所で稀有なキャリアを歩む井上さん。人生を変えたのは1冊の本とルーツだった。 岩崎賢一 朝日新聞社 メディアデザインセンター エディター兼プランナー 自分は何者なのか。こう悩み考えた末に出会った1冊の本が、その後の人生を切りひらいた。自身のルーツを振り返ることで、自分の中では点でしかなかった意識や思いがつながり、ビジョンが生まれた。三菱地所が丸の内の街づくりの一環として取り組む「食育丸の内」をプロデュースしてきた井上友美さん(40)が、その人だ。世間からは「古い」「堅物」とイメージされがちな三菱地所株式会社の中で、稀有なキャリアデザインを切りひらいている。 シリーズ「ライフシフト・ジェネレーション」 私を変えた一冊の本 「学生時代は、ただ漠然と就職することに疑問を感じていたものの、やりたいことが見いだし切れていなかった時期がありました」 井上