筆者が「はちとご」の存在を知ったのは、とあるプラットフォームの「はちとご」に通う大学生の投稿だった。彼が「心あたたまる空間」と表現した「はちとご」でインターネット検索をすると、関わった人たちがさまざまに語っていた。長野と東京で二拠点生活をする女性、多拠点で活動する映像クリエイター、「はちとご」在住の大学生……。共通するのは、「はちとご」が、「大切な場所」であり、「生き方に影響をもたらす場所」だったこと。 現地を訪ねると、「はちとご」は、住宅地の中にあった。「はちとご」を立ち上げた板谷隼さん(以下隼さん)は、自らシェアハウスに住みながら「はちとご」を運営している。「はちとご」が今の場所に引越してきたのは、2023年12月。もともと、「はちとご」は、同じ水戸市内の住宅で始まった。そこが手狭になり、引っ越し先を探し始め、近所のゲストハウスオーナー宮田悠司さんの紹介で、現在の物件に出会う。木造2階