前回は緊急提言としてTQMの視点からトヨタ自動車の問題を取り上げた。 今回は前々回の続きとして、日常業務に使える統計学の基本的な話に戻りたい。ここでは分布の全体像を単一の数字で表す方法を学ぶ。 統計学では調査の対象全体をユニバース(注)とか母集団という。前々回ではユニバースからデータを集めて、度数分布表や度数順位表を作成し、ヒストグラムやパレート図を描く事をお話した。今回はさらに一歩進めて、それらの表やグラフから、そのグループを一言で言うとどういうグループなのかという事を考える。 読者の便宜のため、ここに、前々回と同じ例を示す。 例 度数分布表を使って、次のような場合を考えてみよう。ある消費市場調査会社が代表的な3つの中型乗用車の耐用キロ数を調べたところ、表1のような度数分布表を得た。これをヒストグラムにすると図1のようになる。 データを集めて、そのデータを分析する目的は状況に応じていくつ