北陸新幹線の「小浜ルート」を巡り、工期・事業費とも従来想定より大幅に増大した試算が国から示され、「米原ルート」を含めて再考するよう求める声が強まっている。与党整備委員会の西田昌司委員長は「米原はあり得ない」と言い切る一方、京大名誉教授の中川大氏は「再検討するのが当然」と強調する。小浜ルートで大きな影響を受けかねない京都市の松井孝治市長のインタビュー(京都新聞社提供)も合わせ、どの選択肢が最適か多角的に検証した。 (編集局主幹・宮本南吉) ●事業費、工期、分離駅案…前提が大きく変化 米原含め、冷静に議論を 交通政策を専門とする京大名誉教授・富大特別研究教授の中川大氏は、与党が決定した北陸新幹線の小浜ルートに関し、「前提条件が大きく変わった以上、米原ルートなども含め、改めて検討し直すのが当然だ」と指摘する。 中川氏が「前提条件が大きく変わった」と言うのは、まず「事業費」と「工期」のことだ。 敦