「アニメ大国」や「ジャパニメーション」といわれ世界的に注目されている日本のアニメーション。四千人とも五千人ともいわれるアニメーターなどアニメ労働者が、労働基準法も適用されない個人事業主として働かされていることは知られていません。そんななか、東映アニメーションのアニメ契約者は、労働者性を勝ちとりつつあり、あと一歩で労基法上の諸権利を認めさせるところまできています。(伊藤悠希) アニメ「プリキュア」「ワンピース」などで有名な東映アニメーションで「原画」を描いている里子さん(30)はアニメーターになって十年。一日に描けるカットはせいぜい二、三カットです。締め切りに追われ、毎日十時間働いています。「初めてテレビにスタッフとして名前が出たときは録画をして、家族に報告しました。自分のかかわったアニメが形になって世の中に出たのがうれしかった」 会社はアニメーターを「契約者」という名の個人請負扱いにし、「