渋谷ユーロスペースでイラン映画『ペルシャ猫を誰も知らない』を観た。このあと全国で順次公開されていく予定だという。 監督のバフマン・ゴバディはクルド系イラン人で、長編デビュー作『酔っぱらった馬の時間』以来、過去4作をすべてクルド地域で撮影、言語もクルド語主体の作品を作ってきた。今作で初めて首都テヘランを舞台に、ペルシャ語の映画を撮った、ということらしい。そして、イランの情勢(および国際情勢)が大きく変わらない限り、これが最後のイラン本国での映画ということになってしまうだろう。 というのも、彼はその仕事の中身からイラン当局(直接にはイスラム文化指導省あたり)から嫌われていて、新作の撮影許可が下りない状態が続いていた。行き詰っている最中、偶然出会ったテヘランのアンダーグラウンド・ミュージシャンたちのイランからの逃避行プランに着想を得て(便乗して)、即席のプロットを継ぎ足しながら、もっぱら彼らミュ
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