1991年、NirvanaのNevermindやPearl JamのTenの商業的成功によってUSの音楽業界は地殻変動が起きました。シアトルのバンド群を中心としたそのムーブメントは「グランジ(薄汚れた)ムーブメント」と呼ばれ、80年代中盤からのメインストリームロックの座を占めていた(当時の)ヘヴィメタルから王座を奪い取ります。ただ、最近改めて1991年の再評価※1が進んでおり、それらを読むと多くのメタルミュージシャンたちはグランジムーブメントを脅威としてではなく、共感を持って受け入れていた形跡が見られます。もともとアンダーグラウンド色の強いメタルシーンの中には80年代後半の商業化されたヘアメタル、ポップメタルには違和感を持っていたアーティストも多く、彼らはグランジムーブメントの衝動の発露、むき出しの感情と攻撃性に共感を受けて音像を変化させていきました。90年代初頭には、80年代から活躍して
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