【ニューヨーク=吉形祐司】国連の経済社会局長で中国人の沙祖康・事務次長が、今月上旬にオーストリアで開かれた国連の夕食会で、潘基文(パンギムン)事務総長に「あなたが嫌いだ」と暴言を吐いていたことがわかった。 米誌フォーリン・ポリシー(電子版)が同席した国連高官の話として伝えた。 沙氏は酒を飲んでマイクを握り、「事務総長、あなたが私を嫌いなことは知っている。私もあなたが嫌いだ」「ニューヨークなんかに来たくなかった」などと語り、国連職員がなだめてもやめなかった。事務総長は13日の記者会見で、沙氏が謝罪したとして処分しない方針を明らかにした。 7月にはスウェーデン出身の別の事務次長が退任にあたり、事務総長を批判する文書を提出して物議を醸したばかり。沙氏は中国政府が事務次長に推した人物で「やり手」として知られるが、豪放な言動が問題になってきた。