6月6日に日経平均株価が終値で1万2904円まで急落し、4月4日に日銀の黒田総裁が「異次元の金融緩和」を打ち出したときの株価を下回ってしまった。 「アベノミクスバブルは崩壊した」との評論も目立ったが、そんなことはない。アベノミクスが実質的に始動したのは、野田総理が解散総選挙を決めた昨年11月であり、そのときの日経平均は8600円台で、その時と比べれば、現在でも株価は5割も高くなっているからだ。 ただ、5月23日のピークと比べると、株価が3000円も下落したことは事実だ。その原因は何か。 注目すべきは、為替が円高に向かっているということだ。もしアベノミクスの金融緩和が暴挙で、世界が日本を見放したのであれば、為替は円安方向に暴落していくはずだ。ところが、再び為替が円高になってきているのは、金融緩和が足りないということなのだ。 黒田総裁は、就任早々にマネタリーベースを2年で倍増する計画を発表した