ポール・クルーグマン「米国における課税の伝統」 『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より 「富の集中は危険である」というかつての認識 格差に関する問題が米国でさらに活発に議論されるなか、右派からは猛烈な反発が起こっている。保守派のなかには、格差に目くじらを立てるのは賢明ではない、高所得に税金をかければ経済成長が損なわれると主張する者がいる。また、高税率はアンフェアであり、自分の稼ぎは、自分のものにできて然るべきだと主張する者もいる。さらに、それは米国らしからぬことだという主張も見られる。 アメリカ人は常に、富を築いた人物を称賛してきた。あまりにも多くの富を誰かが握っているとほのめかすことは、この国の伝統に反するというわけだ。 確かに、生粋のアメリカ人なら「政府、特に連邦政府が、不公平な形で富を得ることを効果的に制限しなかったために、権力を
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