環太平洋経済連携協定(TPP)が日本経済に大きな恩恵をもたらすことが世界銀行の試算で明らかになった。日本の国内総生産(GDP)は2030年までに2.7%押し上げられ、加盟12カ国平均の2倍以上になる。モノの輸出だけでなく東南アジアへの小売業などの進出が増える効果を見込んでおり、早期の発効で果実を取り込むことが課題になる。TPPは関税の撤廃などでモノの貿易拡大を促すだけでなく、各国の規制緩和を通
歴史を広く、そして徹底的に調べないと答えが出せない問いがある。マイナス金利が「ニューノーマル(リーマン・ショック後の新しい常態)」になるのか――。この問いも、そうしたものの一つであるだろう。過去150年間で「世界」の実質金利が持続的にマイナス、すなわち名目金利がインフレ率を下回った状態であったのは、2008年のグローバル金融危機後の現在のサイクルを含め、4回だけである(図参照、英米の政策金利を
「成長と格差」の問題は経済学の重要なテーマだ。成長は貧富の差を生み出すのか。持続的な成長はやがて格差を縮小させるのか。富の蓄積は革新の推進力か。それとも富の偏在は逆に成長を阻むのか。研究上の困難は理論を検証するための長期的データがないことだった。例えば、所得の不平等を示すジニ係数の算出に必要な大規模家計調査が始まったのは、先進国でも1960年代にすぎない。そこに新風を吹き込んだのがトマ・ピケテ
世界的な超低金利や欧州のデフレ懸念など今年の世界経済は波乱含みで始まった。金融危機後の経済の分析で定評のあるケネス・ロゴフ・ハーバード大教授に見通しを聞いた。欧州の債務危機、いまだ出口見えず――欧州中央銀行(ECB)が1月に国債を買う量的緩和を決断した。「(国債の購入は)ドイツだけでなくユーロ圏北部各国が強く反対していた。ドラギECB総裁は勇気を奮い、反対勢力を説得した。これでユーロ圏各国が
政府・与党は今夏をメドにつくる新たな財政再建計画のとりまとめ作業を本格化する。経済財政諮問会議の下に、甘利明経済財政・再生相や諮問会議の民間議員で構成する検討チームを月内にも新設する。現行の財政健全化目標とは別に、経済成長を重視する新指標を設けることも視野に入れる。昨年11月、消費税10%引き上げを2015年10月から17年4月に先送りすると決めた際、安倍晋三首相は今夏に財政再建の新たな具体策
まずは安倍晋三政権の経済政策が克服しようとしてきた「15年にわたるデフレ」というフレーズが人々の心を強く捉えた背景を考えてみたい。政権交代のあった2012年末から数えて15年前というと日本経済が金融危機に見舞われた1997年末である。しかし、97年末以降の消費者物価指数(CPI)と実質国内総生産(GDP)からは「15年にわたるデフレ」に見合う事実を見いだすことは難しい。しばしば、デフレは年数パ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く