首都圏の路線で使用されてきた、朝の通勤時間帯に座席がたたまれる「イスなし車両」が、2020年までに姿を消す。 新線の相次ぐ開業で混雑が緩和されたことや、転落を防止するホームドアの規格に合わないためで、導入から30年で使命を終えることになった。 1月末の平日午前8時過ぎのJR新宿駅。中央・総武線のイスなし車両から降りた50歳代の男性会社員は「慣れてるけど、すいていても座れないのはつらい」と苦笑いした。 JR東日本によると、イスなし車両は1990年に山手線で初めて導入された。1編成(11両)に2両を組み込み、平日の始発~午前10時に座席をたたんで運行した。スムーズに乗降できるよう、1両あたりのドア数を通常の片側四つから六つに増やしたのが特徴だ。