安価で高性能の「ラズベリーパイ(Raspberry Pi)」が、欧米の教育現場を中心に浸透している。一方、日本でもAI(人工知能)導入が進むものづくりの過程で利用者が増えているが、専門家やデジタルマニアが好むデバイスとして紹介されてきた。「入り口の違いが、その後のデバイスの普及に影響を及ぼしている」と話すのは、「ジャパニーズ・ラズベリーパイ・ユーザーズ・グループ」の主宰、太田昌文さんだ。 ◆コンピュータースキルの低下を嘆いた教師の思い ラズベリーパイ(通称ラズパイ)は、イギリスで生まれたLinuxで動く格安のシングルボードコンピューターだ。小さな板の上に、コンピュターとして機能するために必要なCPUやメモリ、ストレージといったものが実装されている。一般的なPCと呼ばれるものと比べ、モニターもなければデバイスのカバーさえない剥き出しのパーツだが、コンピューターとしての機能はしっかり備えている