東芝と富士通、ソニーのパソコン部門が独立したVAIO(長野県安曇野市)の3社が行ってきたパソコン事業を統合する交渉が、白紙に戻る見通しとなったことが15日分かった。統合後の成長戦略や製造拠点の再編をめぐり合意が困難になった。 スマートフォンやタブレット型端末の普及に伴い、国内外のパソコン市場は縮小しており、3社は収益力強化に向け戦略の見直しを続ける。 3社のパソコン事業統合構想は、不正会計問題を受けた東芝の構造改革をきっかけに浮上。統合によって製品の開発、製造、販売を効率化し、競争力を高める狙いだった。 しかし、統合後の収益計画や事業戦略をめぐり協議は難航。3社が抱える国内外の製造拠点の統廃合でも調整がつかなかった。東芝の室町正志社長は6月末までに決着させる意向を示していたが、3社の溝は埋まらず、交渉の継続は困難との見方が強まった。