『近代とホロコースト』についてのエントリがちっとも進展しないではないか、とお怒りの読者が(少なくとも)約一名おられると思うのだが、その一名には別件で些少ながら貸しをつくっているのでご容赦いただくことにして、またしても寄り道エントリ。 1990年に「昭和天皇独白録」が発表されたのを受けて翌91年3月に大月書店から出版された、4人の現代史家(藤原彰・粟屋憲太郎・吉田裕・山田朗)による非公開シンポジウム(って、ようするに「独白録」の発表を受けて急遽行なわれた研究会、ってことでしょう)の記録。 「独白録」が公表された当時の自分自身の反応についてはまったく記憶がないのだが、「独白録」を資料として用いた研究成果については読んだことがあるけど実はこの「独白録」そのものは読んだことがない。なんでいまごろこの本を読む気になったかと言えば、例の「富田メモ」が公表されたときの反響から連想した、というわけ。「富田