地球温暖化による海水温の上昇が激しい日本海で、スルメイカに異変が起きている。春から夏の北上のペースがはやまって漁期が短くなり、本州沿岸で取れる量は激減。秋の南下ルートも大陸側に移ったことから、韓国側が豊漁に沸く事態となっている。 スルメイカは、国内のイカ漁獲の8割を占める重要な水産資源。日本海では、秋から年末、山陰から九州西部沖の海域で産卵する。子は夏までに日本海北部まで北上し、その後、産卵場所に戻る習性を持つ。かつては、北上中に道草したり居残ったりするイカも多く、本州沿岸では長い期間取れた。 水産総合研究センター日本海区水産研究所(新潟市)の木所英昭・資源管理グループ長の調べでは1980年代、秋田~山口県沖で1カ月の合計で2千トン以上とれたのは、5~12月までの8カ月間だった。それが2000年代は5~7月の3カ月間に減った。 この原因を、木所さんは1998年を境に急上昇した春から秋の海水