トルコとシリアの国境で不安定の度が増している。10月7日に米国が撤退を表明。これを受けてトルコが、シリア北部のクルド人勢力への軍事作戦を開始した。17日には米・トルコが作戦停止で合意したものの、その条件はクルド人勢力にとって著しく不利なものに見える。ロシアがさらにプレゼンスを増すことになるのか。トルコの地域研究を専門とする新井春美ガバナンスアーキテクト機構上席研究員に聞いた。 (聞き手 森 永輔) トルコと米国が10月17日、シリア北部を拠点とするクルド人勢力への軍事作戦をトルコが停止することで合意しました。トルコが10月9日に同作戦を開始してから約1週間のことです。非常に速い展開ですね。 ことの発端は、ドナルド・トランプ米大統領がシリア北東部からの米軍撤退を発表したことでした。この部隊はどのような役割を担っていたのですか。なぜ、この時期に撤退を発表したのでしょう。 新井:役割はクルド人武