棒状のふんとミジンコに似た生物の化石(中央)=専門誌PALAIOS提供 4億9500万年前の生物が立体的で細かい構造までわかる状態で化石になったのは、ふんのおかげだったということを、京都大の前田晴良准教授らが解明した。ふんに含まれるリンの作用で、保存状態のよい化石ができたとみられる。米専門誌に発表した。 スウェーデン南部で1970年代に見つかった2ミリ以下の小型の海生生物化石は、目など細かい構造もよく残っており、どうしてこのような状態で化石になったのかは謎だった。 前田准教授らは、化石が含まれていた地層を詳しく調べ、約3センチの地層にふんがたまっており、ふんの層にはリンが多く含まれることもわかった。リンとカルシウムが働くと、生物が腐る前に体の形が残りやすい。前田准教授は「今後はふんに注目して、新たな化石を見つけたい」と話している。(瀬川茂子)