このたび白澤社では、藤目ゆき著『「慰安婦」問題の本質──公娼制度と日本人「慰安婦」の不可視化』を刊行しました。 著者の藤目ゆきさんは、公娼制度、廃娼運動、米軍基地周辺の性犯罪などに取り組む近現代史の研究家。フィリピンで初めて声を上げた元「慰安婦」にされた女性に、自らの体験を記録することをすすめ邦訳書を刊行するなど、被害者の尊厳回復のための活動もしてきました。 この本には、著者がこれまでに「慰安婦」問題に関して発表した論文や講演録がまとめられています。 その内容は「慰安婦」問題をなかったことにしようとする声が大きくなっている現状にまさに通用するものです。 著者は、20年余前初めて韓国の元「慰安婦」被害者が名乗りを上げて以来、問題解決に向けさまざまな取り組みがなされてきたにもかかわらず、なぜいまだに「慰安婦」問題は解決できないのかと問います。 そして、圧倒的に多数だったはずの日本人「慰安婦」が