ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから約2カ月が過ぎた。開戦当初はロシアの国内世論が反戦に傾くことで、プーチン大統領の行動が抑制されるのではないかという期待も語られたが、当面そうした展開が生じる気配はない。 その原因として挙げられるのは、ロシアのメディア、とりわけすべてのテレビ局がロシア政府の厳しい統制下にあり、テレビが流しているのはプーチンのプロパガンダであり、人口の大半がこのプロパガンダを信じているうんぬん。早い話が、「テレビにだまされているロシア人は哀れ」というわけだ。 日本はどうか ロシアのテレビ局がプロパガンダ・マシンと化しているのは事実であろう。しかし、われわれ日本人にそれを嗤(わら)う資格などあるのか。2012年の第2次安倍政権以降、日本のテレビ局が呈してきた権力への屈服、伴走、媚態(びたい)の姿勢は、惨状的劣化を示している。 その延長線上で、新型コロナ禍にあっては、大阪府
![「ロシア批判」というブーメラン | | 白井聡 | 毎日新聞「政治プレミア」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b2839f39d412031c0c1848450ca7a5708694666c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2022%2F05%2F09%2F20220509pol00m010006000p%2F0c10.jpg%3F1)