紀元前4世紀、スキタイ人の黄金の弓矢ケース。メリトーポリ郷土史博物館に所蔵されていた Photo: VoidWanderer, CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons 「取り返しのつかない災難」 ロシア軍は、占領した地域で、組織的にウクライナの文化遺産を破壊したり「略奪」したりしている。その被害が想像を超えるものであることが明らかになってきた。ウクライナの文化大臣や関係者たちはロシア兵のこの暴虐行為を非難するとともに、さらなる被害の防止に努め、国際社会にも支援を呼びかけている。 ロシアが略奪したり破壊したりしているものは、現在のウクライナという国のアイデンティティと結びつくものだけではなく、現地で発掘された古代の遺物も多いという。 ロシアによって占領されているメリトーポリでは、郷土博物館の職員がロシアによる処罰を恐れて匿名で取材に応じ、1700以上の所蔵品が持ち去ら