DV事件は、女性から男性に行われるというケースもあるが、悲惨なケースは、やはり、男性が行うDVである。 女性のDVの場合は、所有・支配欲よりは、単純に「切れて」暴力をふるうというもので、境界性人格障害のケースが多い。 これに対し、男性のDVは、「俺の女」という言葉に象徴されるように、女性を所有・支配しようという男性の本能的な部分に由来する。それだけに問題が根深く、男性本人に、その自覚がない。「年に1,2回しか暴力をふるわない」「殴るには殴るだけの理由がある」「自分は妻を指導したのだ」等々、あきれるような言葉が、男性加害者から出てくる。 男性DVの場合、問題を難しくしている原因の一つに、被害者の女性に、その自覚がなくなってしまっているというケースがかなりあることである。 夫や恋人から日常的に暴力をふるわれたり、態度や言葉で威嚇されたりして、DVが継続的に行われているために、自分にも落ち度があ