●Alex Tabarrok, “The Failure of Keynesian Politics” (Marginal Revolution, February 16, 2011) ケインズ経済学の妥当性については意見が分かれるだろうが、ここでは便宜的にケインズ経済学の正しさを全面的に受け入れるとしよう。すなわち、2008年以降から続く景気後退――いわゆる、大不況(グレート・リセッション)――に対する診断にしても対応策にしてもケインズ経済学の言う通りで、積極的な財政政策を通じて総需要を刺激する必要があるとしよう。しかしながら、ケインズ経済学が政治の場で敗北を喫した [1] 訳注;「政治の場で敗北を喫する」=政策提言が時の政権に聞き入れてもらえない、という意味。ことは明らかだ。私の言い分を丸々信じろと迫るつもりはないが、ポール・クルーグマン(Paul Krugman)も次のように発言して