<朴槿恵(パク・クネ)・李明博(イ・ミョンバク)政権の言論弾圧は、公共放送のMBCとKBSもその対象となっていた。このことを描いたインディペンデント系映画が、韓国で現在、静かに注目されている> 数年前、かれこれ10年来の友人である韓国のTV放送局MBCのディレクターと突然、連絡が取れなくなった。何か無礼なことをしてしまったのかと気にしながらも、方法もなくこちらから連絡することは諦めていた。 数年後、彼から突然、取材のために来日するという連絡が来た。 会って話を聞くと、連絡が取れなくなった理由は私の非礼などではなかった。MBCのドキュメンタリー番組「PD手帳」を担当していた彼は、未来戦略室という部署に異動されていたという。その部署にはコンピュータも置いておらず、9時から5時までひたすら部屋にいるだけの、日本でいう「追い出し部屋」だった。文字通り「干されて」いた彼はその間、外部との連絡を絶って