20年余り現代アート作品を発表しアーティストと名乗ってきたのを、今年以降やめることにした。 作品のネタが尽きてしまったから、あるいは継続できない物理的要因が生じたからではない。もうアートでやれることはない、アートはお終いだと思ったからだ。 そんなことを今頃気づくなんて、遅いだろうと思う。アートは既に70年代に「死んだ」と言われていたのだから。 私は80年代前半に芸術大学を卒業し、そのまま当然のようにアーティスト活動を始めた。アートが消費文化へと変化していった80年代を通じて、モダニズムとしてのアートは確実に後退した。個人性や日常性の表出が楽観的に謳われる一方で、すべての物事は均質な情報にフラットに還元されているかのように語られた。 そうした拡散には違和感を覚えながらも、教条的なモダニズムを真に受けることも不可能という立場で、 私は制作をしてきた。 マス・ビジュアルが圧倒的な優位にある視覚文