ヒ素、トリカブト、ストリキニーネ、青酸カリ、インスリン、ポロニウム…… 毒が命を奪うとき、体の中では何が起こっているのか? 古今東西、様々な物質が毒殺に用いられ、毒はフィクションでも現実世界でも人々の関心を引きつけてきた。実際の毒殺事件に用いられた11の物質を紹介し、毒がいかにして私たちの息の根を止めるのかを明らかにする。犯罪と化学、医学を掛け合わせたスリリングな科学ノンフィクション。 [目次] パート1 死を招く生体分子 序 第一章 インスリンとバーロウ夫人のバスタブ 特効薬から、殺しの道具へ バーロウ夫人のバスタブ 「たったひとさじの砂糖で……」 インスリンと血糖値 インスリン・ショックと、エリザベス・バーロウの症状を読み解く手がかり 家宅捜索 痙攣するマウスと眠りに落ちたモルモットが、ケニス・バーロウの有罪を証明 インスリン殺人 第二章 アトロピンとアレクサンドラのトニック 薬用植物