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法と哲学に関するBasilio_IIのブックマーク (13)

  • 憲法学の散歩道第40回 エウチュプロン──敬虔について

    プラトンの対話篇の一つに「エウチュプロン」がある*1。さほど有名な対話篇とは言えないであろう。登場人物はソクラテスとエウチュプロンの二人だけ、エウチュプロンは若い預言者である。扱われているテーマは、敬虔(eusebeia; piety)とは何かであるが、確たる結論にいたることもなく、二人の対話は唐突に終わる。 対話の表面的な流れは、次の通りである。 ソクラテスは、バシレウス(basileus)の役所の前でエウチュプロンと出会う(2a)。バシレウスは祭祀を司るほか、不敬神に関する公訴と殺人に関する私訴を管轄していた*2。ソクラテスはアテナイの父祖伝来の神々を否定して新しい神を導入し、若者たちを堕落させた罪でメレトスに訴えられたため、予備審問のためにバシレウスの役所に出頭するところである*3。 他方、エウチュプロンは、自分の父親を殺人罪で訴えるためにやってきた(4a)。父親は、自家の奴隷を殺し

    憲法学の散歩道第40回 エウチュプロン──敬虔について
  • 憲法学の散歩道第37回 価値なき世界と価値に満ちた世界

    はせべ・やすお  早稲田大学法学学術院教授。1956年、広島生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学教授等を経て、2014年より現職。専門は憲法学。主な著作に『権力への懐疑』(日評論社、1991年)、『憲法学のフロンティア 岩波人文書セレクション』(岩波書店、2013年)、『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年)、『Interactive 憲法』(有斐閣、2006年)、『比較不能な価値の迷路 増補新装版』(東京大学出版会、2018年)、『憲法 第8版』(新世社、2022年)、『憲法学の虫眼鏡』(羽鳥書店、2019年)、『法とは何か 新装版』(河出書房新社、2024年)ほか、共著編著多数。 フィリッパ・フットは、アメリカ合衆国のグラヴァー・クリーヴランド大統領の孫にあたる。オクスフォードのサマヴィル・コレッジを卒業した彼女は、同コレッジで長く哲学を教え、カリフォルニア大学をはじめと

    憲法学の散歩道第37回 価値なき世界と価値に満ちた世界
  • 憲法学の散歩道第36回 刑法230条の2の事実と真実

    はせべ・やすお  早稲田大学法学学術院教授。1956年、広島生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学教授等を経て、2014年より現職。専門は憲法学。主な著作に『権力への懐疑』(日評論社、1991年)、『憲法学のフロンティア 岩波人文書セレクション』(岩波書店、2013年)、『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年)、『Interactive 憲法』(有斐閣、2006年)、『比較不能な価値の迷路 増補新装版』(東京大学出版会、2018年)、『憲法 第8版』(新世社、2022年)、『憲法学の虫眼鏡』(羽鳥書店、2019年)、『法とは何か 新装版』(河出書房新社、2024年)ほか、共著編著多数。 今回はややこしい話なので、短めに済ませることにする。刑法230条には、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する」と

    憲法学の散歩道第36回 刑法230条の2の事実と真実
  • 【憲法学の散歩道/長谷部恭男】第35回 フーゴー・グロティウスの正戦論 - けいそうビブリオフィル

    「憲法学の散歩道」書籍化第2弾『歴史と理性と憲法と』が2023年5月1日に発売となりました。第32回までの連載分に書き下ろし2章分が加わり、長谷部さんならでは散歩道を進むと意外かつ奥深い世界が開けてきます。単行のあとがきはこちらでご覧いただけます[⇒【あとがきたちよみ:『歴史と理性と憲法と』】]。ぜひお立ち寄りくださいませ。 グロティウスは1583年、オランダのデルフトの名家に生まれた。若くして才能を開花させたグロティウスは、11歳でライデン大学に入学し、1598年にはフランスへの外交使節に加わって、オルレアン大学から法学博士号を授与されている。 当時のオランダは、1568年に始まったスペインに対する独立戦争のさなかにあった。スペインとの休戦は1609年に実現したが、独立が正式に承認されたのは1648年のウェストファリア条約でのことである。 1603年、シンガポールでポルトガルの交易船サ

    【憲法学の散歩道/長谷部恭男】第35回 フーゴー・グロティウスの正戦論 - けいそうビブリオフィル
  • 憲法学の散歩道第21回 道徳対倫理──カントを読むヘーゲル

    はせべ・やすお  早稲田大学法学学術院教授。1956年、広島生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学教授等を経て、2014年より現職。専門は憲法学。主な著作に『権力への懐疑』(日評論社、1991年)、『憲法学のフロンティア 岩波人文書セレクション』(岩波書店、2013年)、『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年)、『Interactive 憲法』(有斐閣、2006年)、『比較不能な価値の迷路 増補新装版』(東京大学出版会、2018年)、『憲法 第8版』(新世社、2022年)、『憲法学の虫眼鏡』(羽鳥書店、2019年)、『法とは何か 新装版』(河出書房新社、2024年)ほか、共著編著多数。 「憲法学の散歩道」単行化第2弾! 書き下ろし2編を加えて『歴史と理性と憲法と――憲法学の散歩道2』、2023年5月1日発売です。みなさま、どうぞお手にとってください。[編集部] ※書のあとが

    憲法学の散歩道第21回 道徳対倫理──カントを読むヘーゲル
  • 憲法学の散歩道第20回 『法の概念』が生まれるまで

    はせべ・やすお  早稲田大学法学学術院教授。1956年、広島生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学教授等を経て、2014年より現職。専門は憲法学。主な著作に『権力への懐疑』(日評論社、1991年)、『憲法学のフロンティア 岩波人文書セレクション』(岩波書店、2013年)、『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年)、『Interactive 憲法』(有斐閣、2006年)、『比較不能な価値の迷路 増補新装版』(東京大学出版会、2018年)、『憲法 第8版』(新世社、2022年)、『憲法学の虫眼鏡』(羽鳥書店、2019年)、『法とは何か 新装版』(河出書房新社、2024年)ほか、共著編著多数。 法史学者のブライアン・シンプソン(Alfred William Brian Simpson)は、1931年にイギリス国教会の牧師の末っ子として生まれた。1951年、オクスフォードのクィーンズ・コ

    憲法学の散歩道第20回 『法の概念』が生まれるまで
  • 憲法学の散歩道/第13回 消極的共有と私的所有の間 - けいそうビブリオフィル

    アリストテレスの『政治学』は、その第2巻で、プラトンが『国家篇』で展開した理想の国家像を批判している。アリストテレスによれば、プラトンが描いているのは、全市民が子どももも資産もすべてを共有する体制である。 実際に、プラトンが『国家篇』第5巻で描いているのは、「守護者」と呼ばれる国家の支配者層に限っての話であり、しかも、それは普通、「共有」という概念から想定されるような体制ではない。支配者層のメンバーにとっては、どんな物も「自分の物」ではない。どの女性が「自分の」ということもなく、どの子どもが「自分の子ども」ということもない。すべてが共有されているというよりは、誰も何も所有していない状態である。 守護者たちはそのため、自分たちの衣服やべ物さえ、被支配層(一般民衆)から恵んでもらう物でまかなう必要がある。被支配層である農民や職人には、それぞれの財産があるはずである。自分だけの農地や種苗、

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  • めんどうな自由、お仕着せの幸福/第6回(最終回):サンスティーンという固有名を超える!《成原慧さんとの対話》 - けいそうビブリオフィル

    【お知らせ】対談連載ご登場の方々による書き下ろし単行『ナッジ!? 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム』(那須耕介・橋努編著)が、2020年5月、ついに刊行となりました! この対談とあわせてぜひお読みください。また「けいそうビブリオフィル」では『ナッジ!?』の「はじめに」「おわりに」と各章冒頭をたちよみ公開しています。こちらもぜひご覧ください。→→【あとがきたちよみ/『ナッジ!?』】 那須耕介さんがナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐって語り合う対話連載、ついに最終回です。トリをとっていただくのは、九州大学の成原慧さん。プライバシーやAI、ロボットといった、今をときめくテーマで各所に引っ張りだこの成原さんに、そもそものところからうかがい、やっぱり出てくるサンスティーンとレッシグの対比をしつつ、視点は「意識高い系」までジャンプ! どうぞお楽しみください。【編集部】 那須

    めんどうな自由、お仕着せの幸福/第6回(最終回):サンスティーンという固有名を超える!《成原慧さんとの対話》 - けいそうビブリオフィル
  • めんどうな自由、お仕着せの幸福/第5回:熟議でのナッジ? 熟議へのナッジ?《田村哲樹さんとの対話》 - けいそうビブリオフィル

    【お知らせ】対談連載ご登場の方々による書き下ろし単行『ナッジ!? 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム』(那須耕介・橋努編著)が、2020年5月、ついに刊行となりました! この対談とあわせてぜひお読みください。また「けいそうビブリオフィル」では『ナッジ!?』の「はじめに」「おわりに」と各章冒頭をたちよみ公開しています。こちらもぜひご覧ください。→→【あとがきたちよみ/『ナッジ!?』】 那須耕介さんがナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐって語り合う対話連載、今回は名古屋大学の田村哲樹さんがご登場です。政治学者として、ずーっと「熟議」を研究してきた田村さんは、じつはその熟議とい合わせがあんまりよくないナッジも射程に入れて議論なさってきました。「政治」をめぐる初歩的な話から、ミニ・パブリックスなどなど、どうぞお楽しみください。【編集部】 那須耕介: 今日は思い出話からうか

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  • めんどうな自由、お仕着せの幸福第3回:ぼくらは100点満点を目指さなくてもいい?《若松良樹さんとの対話》

    【お知らせ】対談連載ご登場の方々による書き下ろし単行『ナッジ!? 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム』(那須耕介・橋努編著)が、2020年5月、ついに刊行となりました! この対談とあわせてぜひお読みください。また「けいそうビブリオフィル」では『ナッジ!?』の「はじめに」「おわりに」と各章冒頭をたちよみ公開しています。こちらもぜひご覧ください。→→【あとがきたちよみ/『ナッジ!?』】 那須耕介: 今回、この企画を考えたきっかけの一つは、若松さんの『自由放任主義の乗り越え方』(2016年、勁草書房)なんです。人のせいにして悪いですけど(笑)。これを読んで、「あぁ、もうサンスティーンが何を考えているか、というレベルだけでリバタリアン・パターナリズムやナッジの問題を考えてもしょうがないな」ということをはっきり教えられました。 でも、まずはサンスティーンの話から始めさせてください。

    めんどうな自由、お仕着せの幸福第3回:ぼくらは100点満点を目指さなくてもいい?《若松良樹さんとの対話》
  • めんどうな自由、お仕着せの幸福第2回:なぜいま、民主制の再設計に向かうのか《大屋雄裕さんとの対話》

    サンスティーンとセイラーが広めた「ナッジ」という考え方、そのベースにあるリバタリアン・パターナリズムという理論。この視点を中心に、自由や幸福、社会制度、私たちの生活をめぐって、京都大学教授の那須耕介さんが「いま、ちゃんと話を聞くべき人びと」に会いに行ってきました。 【お知らせ】対談連載ご登場の方々による書き下ろし単行『ナッジ!? 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム』(那須耕介・橋努編著)が、2020年5月、ついに刊行となりました! この対談とあわせてぜひお読みください。また「けいそうビブリオフィル」では『ナッジ!?』の「はじめに」「おわりに」と各章冒頭をたちよみ公開しています。こちらもぜひご覧ください。→→【あとがきたちよみ/『ナッジ!?』】 ナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐる対話シリーズ、格スタートはやはり慶應義塾大学の大屋雄裕さんから。レッシグにはじまり、

    めんどうな自由、お仕着せの幸福第2回:なぜいま、民主制の再設計に向かうのか《大屋雄裕さんとの対話》
  • めんどうな自由、お仕着せの幸福第1回:連載をはじめるにあたって《那須耕介》

    サンスティーンとセイラーが広めた「ナッジ」という考え方、そのベースにあるリバタリアン・パターナリズムという理論。この視点を中心に、自由や幸福、社会制度、私たちの生活をめぐって、京都大学教授の那須耕介さんが「いま、ちゃんと話を聞くべき人びと」に会いに行ってきました。 【お知らせ】対談連載ご登場の方々による書き下ろし単行『ナッジ!? 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム』(那須耕介・橋努編著)が、2020年5月、ついに刊行となりました! この対談とあわせてぜひお読みください。また「けいそうビブリオフィル」では『ナッジ!?』の「はじめに」「おわりに」と各章冒頭をたちよみ公開しています。こちらもぜひご覧ください。→→【あとがきたちよみ/『ナッジ!?』】 『熟議が壊れるとき』の編・監訳者である法哲学者の那須耕介さんが、ナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐって、同時代の気になる方

    めんどうな自由、お仕着せの幸福第1回:連載をはじめるにあたって《那須耕介》
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