Gシリーズについて 森博嗣 「ジグβは神ですか」は、Gシリーズの第8作めになります。前作「目薬αで殺菌します」から4年と2カ月、前々作「ηなのに夢のよう」からは、5年と10カ月も発行に間隔があきました。久し振りの執筆でした(6月に書きました)。 「η」と「α」の間で少し時間を取り、また、「α」と「β」の間ではさらに数年の時間をあけることは、もともとの計画どおりで、担当編集者にも話していたことです。「まあ、4年くらいかな」と自分でもぼんやり考えていた、そのとおりだったので、少しびっくりしています。 一つ誤算がありました。このシリーズを通して、最高の理解者のお一人であったお茶の水女子大学の菅聡子教授が昨年急逝されたことです。僕よりもずっとお若いのにです。先生には、S&Mシリーズでも、Vシリーズでも、またこのGシリーズでも1回ずつ文庫の解説をお願いしました。このように3度も解説で登場いただいた方