タグ

2024年7月17日のブックマーク (1件)

  • 第10回 天上/天井の悦ばしき花綱:ウェヌスが言祝ぐ愛と豊穣の苑 | 「ヨーロッパ綺想庭園めぐり」桑木野幸司

    ヴィラ・ファルネジーナで「プシュケーの物語」を見た。私はこの絵の彩色した複製を自室に長いこと飾っている(ゲーテ『イタリア紀行』(上)、鈴木芳子訳、光文社、2021年、p.266)。 昔、ある国の王家に、それは美しい三人の姫君がいたそうな。なかでも末娘プシュケーの麗姿は世に冠絶し、国中が、愛の女神ウェヌスへの信仰をうちすてて、この美姫を崇め奉ったという。面白くないのは女神様だ。人間の小娘ごときが、なんぞわらわを貶めるか!──さっそく息子クピードを呼んで復讐を命じる。お前の矢の力で、あの娘が世界でもっとも卑しい人間と恋に落ちるよう、仕向けておくれ、と。 お母さまの言いつけは絶対なれど、多感なるクピード、いざ仇たる乙女プシュケーを目にするや、そのあまりの可憐さにたちまち魅了され…… と、続きが気になる、このいかにも物語のツボを押さえたプロットは、帝政期ローマ(二世紀)の奇譚『黄金のろば』の話中話

    第10回 天上/天井の悦ばしき花綱:ウェヌスが言祝ぐ愛と豊穣の苑 | 「ヨーロッパ綺想庭園めぐり」桑木野幸司