スイス製高級時計の売り上げが急減している。高価な時計の購入に消費者が慎重になっている上、主要市場の一つで需要が冷え込んだ。 上場企業としてスイスの2大時計コングロマリット、リシュモンとスウォッチ・グループが今週発表した決算は、中国を中心に残酷なまでの買い控えがあることを裏付けた。英バーバリー・グループやドイツのヒューゴ・ボス、仏ケリング傘下の「グッチ」など欧州他国の高級ファッションブランドも中国での不振が響いている。 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期間中は空前の好況に沸いた欧州高級ファッション業界だが、直近の決算は驚くほどに暗転。売り上げは2桁台の落ち込みを示した。 パンデミック当時は旅行や外食に行けず資金に余裕ができた消費者が、ソーシャルメディアの華やかな投稿に触発されて高級時計を買い入れた。