捜査員が、夫に容疑がかかった経緯について筆談したノート 愛知県警が今年5月、覚せい剤の密売事件の捜査で、聴覚障害者の夫婦宅に手話通訳者を同行させず、筆談だけで3時間半、家宅捜索をした。尿検査の結果は陰性で、覚せい剤使用の疑いはなかった。刑事訴訟法上、今回の家宅捜索に違法性はないが、健聴者と同等になるよう捜査機関側に「合理的な配慮」を求める国際条約の精神から大きくずれていると、愛知県聴覚障害者協会は27日、県警に改善を申し入れた。 愛知県三河地方に住む聴覚障害者の夫婦の家に5月、県警の捜査員4人が突然訪れた。夫に対する覚せい剤取締法違反(使用)容疑の捜索令状を提示された。夫は不在で、妻が筆談で捜査員に尋ねた。 「本当のけいさつ?」 「われわれはクスリの取り締まり専門の刑事です。旦那(だんな)さんの車がみつばい場所に」 「手話通訳者来ていただけますか?証拠はあるの」 妻は筆談で再三