日曜日に決勝が行われた野球の世界大会「プレミア12」は、ライバル韓国を下した日本の優勝で幕を閉じた。いよいよ本格的にオフシーズンが始まる。夏の甲子園期間に刊行された本書にもうひとつ読みどきがあるとしたら、まさにこの総括の時期がふさわしいといえるだろう。 「プレミア12」での侍ジャパンの戦いぶりは、言うまでもなくすばらしかった。辞退者やケガによる離脱で必ずしも最強メンバーとはいえない布陣ながら、要所で打線が奮起。投げてもリリーフ陣を中心に、最後まで崩れることなくゲームを展開した。 その上で、大会の盛り上がりという意味では厳しい面があったのも事実。特に目立ったのが、観客動員の苦しさだ。終盤2試合の日韓戦を別にすれば、東京ドームでも連日空席が目立った。米国代表にメジャーリーガーがいっさい参加しないなど、大会自体の格の問題もあるだろう。だがもっと根本的な課題として指摘されているのが、野球人気の低下