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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (21)

  • イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか

    イエローのラブラドール・レトリバー。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) 1997年、ドイツ、ベルリンの科学捜査官が、ある珍しい事件に関する論文を学術誌「Forensic Science International」に投稿した。事件の夜、31歳の男性が母親の家の裏庭にある、物置を改装した小屋にこもっていた。彼はそこで飼いイヌのジャーマン・シェパードと一緒に暮らしていた。 午後8時15分頃、小屋のほうで銃声が鳴ったのを、近隣の人々が耳にした。 45分後、その男性が拳銃で口を撃ち抜いて死んでいるところを母親と隣人たちが発見した。男性の手にはワルサーの拳銃が、テーブルの上には遺書が置かれていた。 その後、警察官がさらに驚くべきものを発見した。彼の顔と首の大半は消え失せ、傷の縁には歯型が付いていた。 理由はすぐにわか

    イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか
    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2024/05/15
    死後45分ですでに顔をかなり食われていた飼い主の話。意識を失った飼い主を助けようとして顔を舐めたりそっと押して、反応がなくパニックになって噛み、そして血の味に刺激されて食べ始める。
  • 腸内“真菌”と病との関係が明らかに、肥満や治療とも、進む研究

    炎症性腸疾患の患者は、腸内にカンジダ・アルビカンスという真菌(画像)が多い傾向があることがわかっている。科学者らは近年、腸のマイクロバイオーム(微生物叢)の真菌が健康に及ぼす影響について、詳しい調査を始めている。(COLORIZED SCANNING ELECTRON MICROSCOPE IMAGE BY MARTIN OEGGERLI / UNIVERSITY HOSPITAL BASEL, SWISS NANOSCIENCE INSTITUTE, BASEL) マイクロバイオームは近年、過敏性腸症候群から神経障害に至るまで、さまざまな病気との関連を示す数多くの研究によって、大きな注目を集めている。マイクロバイオームは微生物叢(そう)ともいい、皮膚、腸、呼吸器、泌尿生殖路などに共生する微生物のまとまりのことだ。 腸内のマイクロバイオームをつくる多様な微生物の中でも、とりわけ高い関心が寄

    腸内“真菌”と病との関係が明らかに、肥満や治療とも、進む研究
    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2023/12/13
    腸脳相関についてはエビデンスが集まってきているけど、ここが認められると人類だいぶ幸福度が増すと思うなあ
  • 不潔で不合理な「暗黒時代」? 中世ヨーロッパの4つの誤解

    イエスの磔刑(たっけい)を命じたローマ総督ポンテオ・ピラトが手を洗う様子が描かれた14世紀初頭の絵画。中世の人々は不潔だったというのは、よくある誤解だ。実際には、彼らは頻繁に入浴し、ここに描かれているような手洗いの儀式を行っていた。(PHOTOGRAPH BY DEAGOSTINI, GETTY IMAGES) それは革新、哲学、そして伝説的な芸術作品の時代だった。中世ヨーロッパ(およそ西暦500〜1500年)の真実を知れば、驚く人も多いのではないだろうか。 ルネサンスとそれに続く啓蒙思想が登場する前の時期は、一般にヨーロッパの「暗黒時代」だと認識されている。後進的で、汚らしい身なりをしていて、原始的な技術しか持たず、ひどい迷信に囚われていた残酷な人々の時代、というわけだ。 しかし、実際の「暗黒時代」は、そうした認識とは程遠い世界だった。この記事では、中世についてのよくある誤解を4つ紹介す

    不潔で不合理な「暗黒時代」? 中世ヨーロッパの4つの誤解
  • 【動画】幻の巨大ダイオウクラゲの撮影に成功、南極海の潜水艇で

    きれいに青く輝く水中で、巨大な影が向かってきた。長さは9メートルほどあり、うねうねした4の腕とドーム状の傘をもつその生きものは、観光客が乗っている潜水艇よりも大きかった。南極のロンゲ島沖の水深80メートルで目撃された驚くべき光景だ。 観光客が旅行会社「バイキング」のクルーズ船に戻り、英エクセター大学の海洋生物学者ダニエル・M・ムーア氏に写真を見せたところ、「信じられないほど珍しいもの」を見たのだと教えてくれた。 幸運な観光客たちが見たのは、「ダイオウクラゲ(Stygiomedusa gigantea)」という幻の巨大深海クラゲだった。1910年に初めて発見されてから、今回の2022年1月の目撃まで、網にかかった個体や遠隔操作の無人潜水機(ROV)がとらえた映像などを含めても、わずか126件しか観察記録がなかった。何千時間もの潜水調査を行ってきた米モントレー湾水族館研究所(MBARI)の科

    【動画】幻の巨大ダイオウクラゲの撮影に成功、南極海の潜水艇で
    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2023/02/17
    シルバーブルーメ感がある
  • 「最初期の銀河」が予想以上に多く見つかる、従来説を見直しか

    科学者たちはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って原初の宇宙をのぞき込み、宇宙誕生から3億〜4億年しかたっていない時期の銀河を発見した。(IMAGE BY NASA, ESA, CSA, M. ZAMANI (ESA/WEBB)) NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(以下、JWST)が格的に稼働して約半年。JWSTの超高感度の赤外線の目は、私たちの期待に応えて、時の始まりに近い時代に輝いていた初期銀河の姿を見せてくれている。 「そうした銀河が、おそろしくたくさんあるのです。あまりにも多く、あまりにも大きく、あまりにも明るく、あまりにも高温で、あまりにも成熟していて、あまりにも早すぎるのです」と、JWSTの上級プロジェクト科学者であるNASAのジョン・メイザー氏は、2023年1月に米国シアトルで開催されたアメリカ天文学会で語った。(参考記事:「20年間の活躍が楽しみな初画像、ジェーム

    「最初期の銀河」が予想以上に多く見つかる、従来説を見直しか
    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2023/01/31
    ああ、「従来よりもっと古い銀河がたくさん」というのではなく「従来の説より星と銀河の発生がずっと早いかも」という話なのね。
  • 第8回 旧ソ連諸国から軽視され始めたロシアとウクライナ侵攻のこれから

    それでは、これからのウクライナロシア情勢はどのようになっていくのか。 ニュースで語られるような戦況の報告だけでなく、国内外の研究者ネットワークでの議論、周辺国の動向などをウォッチしている廣瀬さんに、中長期的な見通しについて、考えを語ってもらおう。「従来の理論が崩れた」ことで、虚心に事態を見ていかざるをえなくなった廣瀬さんだからこそ、その言葉に耳を傾けたい。 「まず、この紛争は、長引くだろうと思っています。長引く中で『凍結された紛争』のようになる可能性は結構高いのではないかと思います。つまり、今回、双方とも負けを認めないと思うんですよね。でも、停戦しないといけないとなると、勝敗を決めずに、これから例えば10年間、現状を固定化しましょう、というような合意をし、しかし、その合意は恒久的ではなくて、いずれどちらかがかなり復活してきたらまた戦闘を仕掛けるというようなシナリオが、一番ありそうだと思い

    第8回 旧ソ連諸国から軽視され始めたロシアとウクライナ侵攻のこれから
    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2022/09/05
    日本のロシア研究者がロシアよりなの、別にソ連や共産主義云々ではなく「優れた思想と文化を有するロシア」に対してはウクライナは無条件に尊崇の対象とすべき、的な思い込みはあったんだろうな。
  • 火星の岩に謎の紫色のコーティング、生命の痕跡か、最新報告

    NASAの火星探査車「パーシビアランス」が、ミッション開始から198火星日目となる2021年9月10日に「ロシェット」という愛称の岩の前で撮影した自撮り写真。岩の表面には、探査車がサンプル採取のためにロボットアームを使ってあけた孔が2つ見える。(PHOTOGRAPH BY NASA, JPL-CALTECH, MSSS) 火星は、地表から上空まで赤い塵に覆われている。しかし、NASAの火星探査車「パーシビアランス」は、これまで探索したジェゼロ・クレーター内のほとんどすべての場所で、錆びた赤い色合いの中に、謎の紫色の物質を発見した。 紫色の物質は、岩石の表面を薄く滑らかに覆っていたり、絵の具のような塊として付着したりしている。米ニューメキシコ州にあるロスアラモス国立研究所の地球化学者であるアン・オリラ氏は、2021年12月の米地球物理学連合(AGU)の会合で、紫色のコーティング(被覆)を分析

    火星の岩に謎の紫色のコーティング、生命の痕跡か、最新報告
    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2022/01/19
    ゴキブリは?ゴキブリはおらんのか?
  • なぜ新年は暗くてますます寒くなる冬に始まるのか、暦の歴史 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    収穫と密接に結び付いていた初期のローマ暦では、紀元前7世紀まで、冬の2カ月間には名前すらなかった。現在の1月1日が新年の始まりとして定着したのはずっと後のことだ。写真はフランス、ブールジュのサン・テティエンヌ大聖堂にある13世紀のステンドグラス。当時としては典型的な1月の描写で、事が題材になっている。(PHOTOGRAPH VIA BRIDGEMAN IMAGES) 新しい年の始まりは、なぜさまざまな生きものが躍動し始める春ではなく冬なのか。そう思ったことはないだろうか。それもそのはず、今の暦の原型が生まれたとき、新しい年の始まりは現在の1月ではなく春だった。それどころか、冬の2カ月間には名前すらなかったのだ。 現在の暦の元をつくったのは古代ローマ人だ。その「1月(January)」は、時間、移り変わり、始まりの神である「ヤヌス(Janus)」にちなんで名付けられた。この記事では、天文学

    なぜ新年は暗くてますます寒くなる冬に始まるのか、暦の歴史 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2022/01/02
    やはり暦は太陰太陽暦であるべき
  • 9人が怪死「ディアトロフ峠事件」の真相を科学的に解明か

    1959年2月26日、ディアトロフ峠で遭難した登山グループのテントを調べるソ連の捜索隊。テントは内側から切り開かれ、多くのメンバーがを履かずに下か裸足で外に出ていた。(PHOTOGRAPH COURTESY OF THE DYATLOV MEMORIAL FOUNDATION) 60年以上前のロシア(当時はソ連)で起きた悲惨な出来事は、秘密の軍事実験やイエティ、さらには地球外生命体との接触まで、さまざまな陰謀論を産み出してきた。しかし現時点で最も納得でき、最も理にかなっていると思われる仮説は、自動車事故の実験や映画『アナと雪の女王』で使われたアニメーションをヒントにした雪崩のシミュレーションにもとづくものだ。 スイスの2人の研究者が2021年に発表したデータは、9人の雪山登山者にむごたらしい死をもたらしたのは、不思議なほど規模の小さい遅発性の雪崩が原因だった可能性を示唆していた。雪山で

    9人が怪死「ディアトロフ峠事件」の真相を科学的に解明か
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    BigHopeClasic 2021/02/02
    最後のピースが「アナ雪」の作画のために作られた雪の動態モデルと、GMが過去に行った死体損壊実験のデータというのが面白い。
  • 新型コロナの死亡率、大気汚染で悪化と判明、研究

    フランス、グルノーブルにある高さ約100mの塔の近くにある熱供給プラント(左奥)から、煙が雲よりも高く立ちのぼっている。(PHOTOGRAPH BY FRANCOIS HENRY, REA/REDUX) 世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスは、医療崩壊から極端な貧富の格差まで、現代社会の弱点を突きながら拡散している。しかし、無視されがちなある大問題との関係は、少々複雑だ。それは、大気汚染がパンデミック(世界的な大流行)を悪化させた一方、そのおかげで、一時的でも空がきれいになっているということだ。 米ハーバード大学T・H・チャン公衆衛生大学院の研究者が、1の論文を公開した。査読を受けて学術誌に発表されたものではないが、それによると、PM2.5と呼ばれる微粒子状の大気汚染物質を長年吸い込んできた人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡率が大幅に高くなるという。 大気汚染

    新型コロナの死亡率、大気汚染で悪化と判明、研究
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    BigHopeClasic 2020/04/11
    都会から無症状感染者が大量に田舎へ押しかける図しか見えないのだが
  • 第6回 恐竜が絶滅した「瞬間」の化石が見つかった!

    昔は愚鈍とされていた恐竜。だが今は、鳥や哺乳類のような温血動物で、羽毛が生えていたものもいたことがわかっている。そこで、日を含めた恐竜研究の変遷や、最新のトピックスを教わりに、日の恐竜研究のパイオニアで国立科学博物館の特別展「恐竜博2019」の監修を務める真鍋真さんの博物館に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)

    第6回 恐竜が絶滅した「瞬間」の化石が見つかった!
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    BigHopeClasic 2019/07/16
    “隕石衝突後1時間のレベルでの大量死を捉えたという主張なのである!”
  • “痕跡器官”とされた脾臓の役割解明

    人間の消化器系を示すイメージ図。左上に腎臓に似た形をした紫色の脾臓がある。2009年7月に発表された研究によると、マウスを対象に調査した結果、役立たずと思われていた脾臓は、実際には損傷を受けた心臓の回復に欠かせない役割を果たしていることがわかった。 Illustration by MedicalRF.com/Visuals Unlimited 人体には虫垂や扁桃腺(へんとうせん)、余った血流路など、痕跡器官と呼ばれる臓器が存在している。進化の名残ともいえるこのような器官は、あっても無くても人体にはそれほど影響がないと考えられてきた。しかし、医療研究技術の発達に伴い、痕跡器官にも実際には懸命に働いている臓器があることがわかってきた。 痕跡器官の好例が脾臓(ひぞう)である。最新の研究によると、損傷を受けた心臓の回復に欠かせない役割を果たしていることが判明したという。脾臓は腎臓に似た形で腹部の左

    “痕跡器官”とされた脾臓の役割解明
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    BigHopeClasic 2018/04/24
    “ひじやひざ、肩などには側副血行路があるが、脳の大部分や心臓にはそれがない。脳卒中や心筋梗塞にかかる年齢が50代や60代。人体の設計図が固まった頃には、そこまで長生きする人はいなかったんだ”
  • 嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植

    ナショナル ジオグラフィックの書籍『世界をまどわせた地図』で紹介する国、島、都市、山脈、川、大陸、種族などは、どれもまったくの絵空事だ。しかし、かつては実在すると信じられていたものである。なぜだろう? それらが地図に描かれていたからだ。 神話や伝承として語り継がれていたものもあれば、探検家の間違いや誤解から生まれたものもある。なかには、名誉のため、あるいは金銭を集めるための完全な「でっち上げ」すらある。その代表例として、ここでは「ポヤイス国」の物語を紹介する。史上最悪の詐欺師グレガー・マグレガーによる嘘の国だ。 世界一の大ぼらふき、グレガー・マグレガー 1822年頃のヨーロッパは不景気の中にあり、コロンビアやチリ、ペルーなどの南米の国々はチャンスを期待する投資家たちの人気を得つつあった。それらの国の国債は利回りがよく、見逃せないもうけ話だったのだ。そんな時代に、モスキート・コースト国のジョ

    嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植
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    BigHopeClasic 2017/07/25
    20世紀後半になってから政府単位でドミニカ移民という詐欺を政府が率先して行った日本はこれを他人事とは言えない。
  • ティラノサウルスから走って逃げることは可能

    ティラノサウルス・レックスは、多くの人が思っているほど俊足ではなかった。(PHOTOGRAPH BY CORBIN17, ALAMY) 恐竜の王様ティラノサウルス・レックスは、広く一般に信じられているほど俊足ではなかったことが、コンピューター・モデルを使った最新の研究で明らかになった。それどころか、せいぜい人間が走る速さが精いっぱいだったという。英マンチェスター大学の古生物学者ウィリアム・セラーズ氏らの研究チームが、オンライン学術誌「PeerJ」に7月18日付で発表した。 ティラノサウルスの最高速度は、長いこと古生物学者の間で論争の的となってきた。これまでの推定では、時速18キロから54キロまでばらつきがあった。 世界最速の人間の時速は約37キロなので、仮にこの人間とティラノサウルスが競走をすれば、ティラノサウルスが勝つ可能性はある。 だが、セラーズ氏の研究チームがより幅広い情報を集めて計

    ティラノサウルスから走って逃げることは可能
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    BigHopeClasic 2017/07/24
    ティラノサウルスの大きさからすると、時速27kmでも傍目にはずいぶんゆっくりと見えるだろう。
  • 第5回 「男脳」「女脳」のウソはなぜ、どのように拡散するのか

    さんは東大教養学部がある駒場キャンパスの准教授なので、大学に入ってほやほやの1年生の講義を受け持つことがある。その時のエピソードをもって、まず想像してほしい。 「駒場の1年生の心理学の講義で、最初にやるんですよ。血液型性格判断がいかに正しくないか、科学的じゃないか。でも、結構な数の子があれでショックを受けちゃうんですよね。今まで信じてましたって。でも、サイエンスとしての心理学の講義をとる以上、そこのところはちゃんとしてほしいです。血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的なんですけど、ただ、血液型性格判断を信じてしまう人の心理っていうのは、おもしろい研究対象ではありますね」 血液型性格判断については、もう信奉する人が度を越していて、ぼくもうんざりなので、四さんのこの姿勢には大いに共感する。それが「正しくない」「科学的じゃない」理由については、稿のカバーする範囲ではないと思うの

    第5回 「男脳」「女脳」のウソはなぜ、どのように拡散するのか
  • 冥王星に信じがたい5つの新事実発覚

    冥王星の山々や氷の平原や谷が日没の光にほのかに輝き、かすんだ空も光を放っている。(PHOTOGRAPH BY NASA/JHUAPL/SWRI) 冥王星はきわめて小さな天体だが、流れる氷河、興味深いくぼみのある領域、かすんだ空、多くの色を持つ風景など、信じられないほど多様な特徴が見られる。溶岩ではなく氷を噴き出す「氷の火山」や氷に浮かぶ山々があり、さらに衛星は予想もつかない動きをしているようだ。(参考記事:「冥王星“接近通過”をめぐる10の疑問に答える」) 2015年7月に冥王星へのフライバイを成功させたNASAの探査機「ニューホライズンズ」の科学者チームは、11月9日、米国天文学会惑星科学部会の年次総会で新たな観測結果を発表した。観測データが示す冥王星は、事前の予想とは全く異なる天体だった。(参考記事:「冥王星の三つの事前想像図」) ニューホライズンズの主任研究者であるアラン・スターン氏

    冥王星に信じがたい5つの新事実発覚
  • ここがすごい!ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

    ウェッブ宇宙望遠鏡の主鏡を構成する六角形セグメント。主鏡は合計18枚のベリリウム製セグメントから成り、赤外線を反射しやすいように24金でコーティングされる。(PHOTOGRAPH BY NASA/MSFC/DAVID HIGGINBOTHAM) 25年前の4月24日、史上最大で最高のハッブル宇宙望遠鏡は、スペースシャトル・ディスカバリーによって地球低軌道に打ち上げられた。時をさかのぼり、宇宙の秘密を解明することが目的だった。 しかし、計画に20年もの歳月と15億ドルを費やしたハッブルが最初に送ってきた画像は、何ともひどいものだった。完ぺきな精度で作られたはずの集光ミラーに不具合があったのだ。 3年後、次のシャトルが修理に向かった。その後ハッブルは世界クラスの革新的な観測結果を送るようになり、壮大な画像に多くの地球人が魅了された。 ハッブルの写真で星の旅へ。数千個の星が集まるWesterlu

    ここがすごい!ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
  • ネアンデルタール人と人類の出会いに新説

    5万5000年前の現生人類の頭蓋骨の一部。2015年1月、ガリラヤ西部のマノット洞窟で発見された。人類がネアンデルタール人と同時期にレバント地方にいたことを示唆している。(Photograph by Menahem Kahana, AFP, Getty Images) 人類はどこから来て、どうやって拡散したのだろう? はじめの疑問に対しては、遺伝学の研究が説得力のある答えを見出している。現生人類の祖先はアフリカで進化したというものだ。 人類はその後、6~5万年前に一気にユーラシア大陸に広がった。そしてこのたび米国の2人の考古学者が、初期人類がアフリカを出てから広く拡散するまでの道のりを明らかにしたと発表した。パンくずのように残された石器の跡をたどると、私たちの祖先はいったんアフリカから緑のオアシスだったアラビア半島へと遠回りし、5万年間ほど定住。続いて中東に移動して、そこではじめてネアンデ

    ネアンデルタール人と人類の出会いに新説
  • 国際的な絶滅危惧種となったウナギを救う、二つの「劇薬」

    国際自然保護連合(IUCN)が、絶滅の恐れがある野生生物を評価したレッドリストで、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類した。3ランクある絶滅危惧種の中で2番目に高い「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」である。 河川や湖沼などウナギの生息地となる環境が失われたことやダムや水力発電所、河口堰などの建設によって川と海を行き来するウナギの回遊が妨げられたことなどがウナギ減少の理由とされるが、なかでもウナギを絶滅近くにまで追い込んだ大きな理由としてIUCNが挙げているのが、乱獲つまりウナギの捕りすぎとべ過ぎだ。 世界のウナギの70~80%を消費しているといわれる日が、ウナギの保全にも最も大きな責任を持っていることを自覚し、ウナギ資源保全の取り組みを強化するきっかけにしなければいけない。 日の親ウナギの漁獲量は1981年の1920トンから2011年の229トンに減り、稚魚のシラスウナギの漁

    国際的な絶滅危惧種となったウナギを救う、二つの「劇薬」
  • 特別編 渡辺佑基「マグロは時速100キロで泳がない」

    世界最速のスイマーであるバショウカジキは時速100キロ以上で弾丸のように海を飛ばす。マグロも負けず劣らず、時速80キロでびゅんびゅん泳ぐ。シャチは時速70キロで前進するし、ペンギンは時速60キロですいすいと海を渡る――。 以上の話は子ども向けの図鑑などでしばしば見られる、海の動物たちの「真実」である。流線形の体とアスリートのような筋肉をしたカジキやマグロやシャチは、驚くほどうまく水中生活に適応しており、まるで高速道路をはしる車のようなスピードで大海原をびゅんびゅん泳ぐとされる。 ところがどっこい、である。海洋生物学者である私は、実際にバショウカジキの遊泳スピードを海で計測した科学論文を調べてみたところ、平均スピードは時速2キロと知った。いや書き間違えではない。20キロでも200キロでもなく、2キロ。ちょうどお年寄りの散歩くらいのスピードで「世界最速」のバショウカジキは泳ぐ。 ちなみにマグロ

    特別編 渡辺佑基「マグロは時速100キロで泳がない」